渡辺正雄

渡辺 正雄について

渡辺 正雄（わたなべ まさお）は、1920年1月7日に東京で生まれ、2005年5月4日に亡くなった日本の著名な科学史家です。彼は東京大学の名誉教授であり、科学文化史や日英科学交流史、さらにはキリスト教と科学の関係に関する研究を行っていました。

経歴

東京出身である渡辺は、私立武蔵高校を卒業後、東京帝国大学（現在の東京大学）に進学しました。1961年には「一七八〇-一八五〇年期の英国に於ける熱理論の発展」を題材に東京教育大学から文学博士の学位を取得し、さらに1962年には「熱運動論発展の過程」をテーマに東京大学から理学博士の学位を得ました。その後、東京女子大学の助教授を経て、中央大学教授を務め、1968年からは東京大学教養学部の教授として長年にわたり教育に従事しました。1980年に定年退官し、名誉教授の称号を受けた後も、新潟大学、東京電機大学、および国際基督教大学で教鞭を執りました。

業績の成果として、1993年には勲三等旭日中綬章を受章するなど、その功績が評価されています。

著書

渡辺正雄は、多くの著書を執筆しています。その中でも代表的なものには以下のような作品があります。

• - 『文化史における近代科学』（未来社、1963年）
• - 『世界の頭脳 ノーベル物理学賞に輝く人々』（講談社現代新書、1966年）
• - 『日本人と近代科学 西洋への対応と課題』（岩波新書、1976年）
• - 『お雇い米国人科学教師』（講談社、1976年／増訂版：北泉社、1996年）
• - 『科学者とキリスト教 ガリレイから現代まで』（講談社ブルーバックス、1987年）
• - 『文化としての近代科学 この人間的な営み』（丸善、1991年）

さらに、彼の著書は日本国内外で広く読まれ、科学と人文学の境界を越えて関心を集めるテーマを提示しています。

共編著と翻訳

渡辺は執筆だけでなく、共編著や翻訳も手がけており、以下のような作品があります。

• - 『科学と英文学』（研究社出版、1962年）
• - 『ダーウィンと進化論』（共著、共立出版、1984年）
• - 『近代科学の誕生』（H.バターフィールド著、講談社学術文庫、1978年）

これらの業績を通じて、彼の学問的な貢献は多岐にわたり、日本における科学史の発展に寄与してきました。

まとめ

渡辺正雄は、科学と文化、思想を結びつける重要な役割を果たした科学史家です。彼の研究や著述は、今後も多くの人々に影響を与え、科学と人文学が交わる領域での理解を深める手助けとなることでしょう。

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