渡辺男二郎

渡辺男二郎：内務官僚から宮城県知事へ

渡辺男二郎（1902年1月14日 - 1980年11月20日）は、日本の内務・警察官僚であり、最後の官選宮城県知事です。彼の生涯は、地方警察官としてのキャリアから始まり、内務官僚として地方行政に携わり、最終的には宮城県知事を務めるという、多岐にわたるものでした。

生い立ちと学歴

渡辺男二郎は、現在の広島県呉市に生まれました。父は渡辺逸太郎で、その二男として育ちました。彼は、第三高等学校を卒業後、1925年に東京帝国大学法学部を卒業しました。同年11月には高等試験行政科試験に合格し、官僚としてのキャリアをスタートさせる準備を整えました。

内務省でのキャリア

1926年5月、渡辺は内務省に入省し、北海道庁属として地方行政のキャリアをスタートさせました。その後、1929年8月には地方警視として青森県警察部に勤務し、警察官としての経験を積みました。その後も、山形県警察部、福井県警察部と各地の警察部門を渡り歩き、地方行政と警察運営に関する知識と経験を深めていきました。

1935年5月には地方事務官として三重県に勤務し、その後東京府へ移りました。1939年4月には内閣東北局書記官に発令され、地方行政の中枢にも関与するようになりました。その後も、山口県経済部長、和歌山県内務部長、宮城県内務部長などを歴任し、地方行政の要職を担いました。

宮城県知事としての活動

1947年3月、渡辺男二郎は千葉三郎の後任として宮城県知事に昇格しました。当時、千葉三郎が知事選に出馬するために辞任したことを受け、渡辺がその職を引き継ぎました。彼は、県議会議員選挙や知事選挙などを執行し、同年4月に知事を退任しました。短い期間ではありましたが、戦後の混乱期において、地方行政の責任者としての役割を果たしました。

退任後の活動

宮城県知事を退任した後、渡辺は仙台商工局長、楢崎造船相談役、日本中型造船工業会理事などを務めました。これらの役職を通じて、経済界でもその手腕を発揮しました。

著作活動

渡辺男二郎は、そのキャリアを通じて、いくつかの著作を執筆しました。

『警察官の日常経済知識』（1932年）
『経済語辞典』（1934年）
『経済警察の基礎知識』（1938年）
『東北開発の展開とその資料』（1965年）

これらの著作は、彼の行政官としての専門知識や経済に対する深い洞察を示しています。

まとめ

渡辺男二郎は、内務官僚、警察官僚、そして宮城県知事として、日本の行政と経済に貢献しました。彼の生涯は、地方から中央、そして経済界へと多岐にわたる活躍を見せ、その足跡は日本の歴史に深く刻まれています。彼の著作は、当時の社会状況や行政のあり方を理解する上で貴重な資料となっています。

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