渡辺英夫

渡辺英夫

渡辺英夫（わたなべ ひでお、1903年9月1日 - 1998年3月22日）は、愛知県出身の囲碁棋士。囲碁史研究家としても知られ、特に古文書の分野で多大な功績を残しました。

棋士としての歩み

1918年、15歳で稲垣日省七段に入門し、本格的に囲碁の道を歩み始めます。長らく院生として研鑽を積み、1936年に念願の入段を果たしました。その後、1939年に二段、1944年に四段、1963年に五段、1966年に六段と順調に昇段を重ね、1977年に引退、七段となりました。没後、その功績を称えられ、八段を追贈されています。

棋士としての特筆すべき実績としては、1957年の第2期中央会館早碁トーナメントで2位に入賞したことが挙げられます。また、大手合では2等に2回、4等に1回入賞するなど、安定した成績を残しました。

囲碁史研究家としての功績

渡辺英夫は、単なる棋士としてだけでなく、囲碁史研究、特に古文書研究の分野で卓越した才能を発揮しました。その知識は深く、囲碁史に関する著書や編著を多数発表しています。中でも、安藤如意が明治43年に刊行した『坐隠談叢』に追記・改補し、新たな版を刊行したことは、囲碁史研究における重要な業績として評価されています。

人物

1984年には、長年の囲碁界への貢献が認められ、第16回大倉賞を受賞しました。門下には準棋士の田中蒔子がいます。

著書

単著

『囲碁史談 星輝庵碁録』 渡辺英夫、星輝庵囲碁普及会、1980
『中国古棋譜散歩』 渡辺英夫 著 新樹社 1983

編著

『御城碁譜』（全十巻）瀬越憲作、八幡恭助、渡邊英夫編 御城碁整理配布委員会 1950-51年
『坐隠談叢 : 囲碁全史』 安藤如意 原著,渡辺英夫 改補 新樹社 1955
『坐隠談叢 : 囲碁全史』 安藤如意 原著 新樹社 1973
『御城碁譜』（全十巻）瀬越憲作、八幡恭助、渡邊英夫編 誠文堂新光社 1978年

渡辺英夫は、囲碁棋士としてだけでなく、研究者として囲碁の歴史と文化に深く貢献した人物として、その名は永く記憶されるでしょう。

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