渡邉温子

渡邉 温子：優勝を経験したバスケットボールキャリア

渡邉 温子（わたなべ あつこ）は、1978年8月29日に愛知県で生まれた元女子バスケットボール選手です。フォワードとしてプレーし、身長は176cm。「花の78年組」と呼ばれる、才能豊かな選手が多かった世代の一人として知られています。なお、音楽グループSTART OF THE DAYでボーカルを務める同姓同名のAtsuko（渡邉 温子）とは、異なる人物です。

学生時代の輝き：「優勝の申し子」

渡邉選手のバスケットボール人生は、地元の昭和ミニバスケットボールチームで始まりました。その後、名古屋市立千種台中学校へと進み、名古屋短期大学付属高等学校（現在の桜花学園高等学校）で高校生活を送りました。高校卒業後は、愛知学泉大学に進学。彼女の学生時代の特筆すべき点は、これら中学校、高校、大学と、所属した全てのチームで全国規模の大会優勝を経験していることです。この驚異的な勝率と実績から、渡邉選手は「優勝の申し子」と呼ばれるようになりました。学生時代から既にトップレベルの実力と、勝利を引き寄せる強さを持っていたことを証明しています。

Wリーグでの活躍と日本代表選出

愛知学泉大学を卒業後、2001年にWリーグの強豪チームであるシャンソン化粧品に入社し、プロバスケットボール選手としてのキャリアをスタートさせました。加入初年度からその実力をいかんなく発揮し、2001-02シーズンにはリーグの新人選手の中で最も優れた活躍を見せた選手に贈られるルーキー・オブ・ザ・イヤーを見事に獲得しました。この時の新人王争いでは、後に日本女子バスケットボール界を長く牽引することになる大神雄子選手らを抑えての受賞であり、渡邉選手のプロ入り直後のインパクトの大きさを物語っています。

Wリーグでの活躍が評価され、渡邉選手は日本代表にも選出されました。1999年と2001年には大学生の国際大会であるユニバーシアードに出場。さらに、2002年にはFIBA女子バスケットボール世界選手権（現在のワールドカップ）の日本代表に選ばれ、世界の舞台でプレーしました。同年にはアジア競技大会にも日本代表として出場しており、国際経験も豊富に積んでいます。

リーグ優勝への貢献と引退

シャンソン化粧品では、チームの主力選手として貢献を続けました。2005年には、チームにとって5年ぶりとなるWリーグ優勝の原動力の一人となりました。この優勝シーズン終了後、渡邉選手はデンソーアイリスへ移籍しました。デンソーで迎えた2005-06シーズンを最後に、渡邉温子は選手としてのキャリアを終え、現役を引退しました。比較的短い期間のプロキャリアでしたが、学生時代からの輝き、Wリーグでの鮮烈なデビュー、そして日本代表としての経験と、その存在感は確かにバスケットボール界に刻まれました。フォワードとしてチームに貢献する献身的なプレーが持ち味でした。引退後は新たな道を歩んでいるものと思われます。

主な経歴と受賞歴

選手経歴
名古屋市立千種台中学校
名古屋短期大学付属高等学校（現 桜花学園高等学校）
愛知学泉大学
シャンソン化粧品（2001年 - 2005年）
デンソー（2005年 - 2006年）

日本代表歴
1999年 ユニバーシアード
2001年 ユニバーシアード
2002年 世界選手権
2002年 アジア大会

個人受賞
* Wリーグ 2001-02 ルーキー・オブ・ザ・イヤー

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