港湾労働法

港湾労働法について



港湾労働法は、日本の港湾における労働環境を整備し、港湾労働者の雇用安定と福祉向上を目指すために制定された法律です。この法律は、港湾運送の効率化と技術革新が進む中で、労働力の需給構造の変化に対応し、港湾労働者の雇用を守り、能力開発を支援することを目的としています。

法律の概要



この法律は、1988年（昭和63年）に公布され、翌年の1989年（昭和64年）1月1日に施行されました。旧港湾労働法に代わるもので、港湾労働者の雇用改善、能力開発、労働者派遣事業の適正化、そして港湾労働者雇用安定センターの設置に関する規定が含まれています。

構成



港湾労働法は、以下の構成で成り立っています。

  • - 第一章：総則（目的、定義など）
  • - 第二章：港湾雇用安定等計画
  • - 第三章：港湾労働者の雇用の改善、能力の開発及び向上
  • - 第四章：港湾労働者派遣事業
  • - 第五章：港湾労働者雇用安定センター
  • - 第六章：雑則
  • - 第七章：罰則

目的と定義



この法律の目的は、港湾労働者の雇用を安定させ、港湾運送に必要な労働力を確保するとともに、港湾労働者の福祉を増進することです。法律では、以下の用語が定義されています。

  • - 港湾：政令で指定された港湾。主要な港湾として、東京、横浜、名古屋、大阪、神戸、関門の各港湾が指定されています。
  • - 港湾運送：港湾内で行われる特定の行為で、貨物の荷役や運搬に関連する事業を指します。
  • - 事業主：港湾運送事業を行う者を指します。
  • - 港湾労働者：港湾運送業務に従事する労働者。ただし、船員は除きます。
  • - 港湾労働者派遣事業：港湾運送業務における労働者派遣事業で、派遣労働者が常時雇用される労働者である場合に限ります。

港湾雇用安定等計画



厚生労働大臣は、港湾ごとに港湾労働者の雇用安定と福祉に関する計画を策定します。この計画には、労働力の需給調整や雇用改善、能力開発、労働者派遣事業の適正な運営に関する事項が含まれます。

関係者の責務



事業主は、港湾労働者の雇用改善や能力開発に努める必要があり、国や地方公共団体は、その活動を支援します。また、事業主は雇用管理者を選任し、適切な雇用管理を行う義務があります。

日雇労働者の雇用



原則として、日雇労働者を港湾運送業務に従事させる場合、公共職業安定所の紹介を受ける必要があります。ただし、例外的に直接雇用が認められる場合があります。

例外的に直接雇用が認められるケース



これらのケースでは、事前に日雇労働者雇用届を公共職業安定所長に提出する必要があります。

港湾労働者雇用安定センター



厚生労働大臣は、港湾労働者の雇用安定と福祉増進を目的とする法人を港湾労働者雇用安定センターとして指定することができます。このセンターは、以下のような業務を行います。


港湾労働法遵守強化旬間



毎年11月21日から30日までを「港湾労働法遵守強化旬間」とし、関係者の遵法意識を高め、違法就労の防止を図っています。

まとめ



港湾労働法は、港湾労働者の雇用を守り、能力開発を支援するための重要な法律です。この法律に基づき、港湾労働者の安定的な雇用と福祉向上が図られています。

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