湖沼水質保全特別措置法

湖沼水質保全特別措置法の概要

湖沼水質保全特別措置法（こしょうすいしつほぜんとくべつそちほう）は、1984年、昭和59年に制定された日本の法律であり、湖の水質を保持し、国民の健康で文化的な生活を確保することを目的としています。この法律は、環境省が主務官庁となり、国土交通省や農林水産省などの関連機関と連携しながら運用されています。

法制定の背景

日本には多くの湖沼が存在しますが、これらは水域が閉鎖的であるため、水質汚濁が発生しやすく、その改善も容易ではありません。一般的な水質汚濁防止法では、工場や事業所からの排出水について規制されていますが、生活排水や農業からの排水については十分な対策が講じられていませんでした。そのため、湖沼の水質を保全するための特別な措置が必要とされ、湖沼水質保全特別措置法が制定されたのです。

主な内容

この法律の主な目的は、環境大臣によって水質環境基準が必要とされる湖沼の指定と、計画の策定を促進することにあります。具体的な施策としては、下水道の整備推進や水質汚濁に対する規制、さらに湖沼周辺の自然環境の保護が含まれます。

指定湖沼に関しては、1985年から2007年にかけて11湖沼が指定されており、この中には琵琶湖や霞ヶ浦、野尻湖などが含まれています。指定された湖沼の水質については、長期的なモニタリングが必要ですが、1985年以降も水質改善が停滞している状況があり、依然として多くの湖沼で水質の悪化が見られます。

指定湖沼と水質保全

指定湖沼は11湖沼あり、それぞれの湖において水質保全のための計画が策定されています（例えば、琵琶湖は滋賀県と京都府に跨る）。これらの湖沼では、環境基準を満たす状態への改善が求められており、現在でも取り組みが行われています。特に、長い年月を掛けて作成された水質保全計画に基づく施策が重要です。

改正と最近の動向

平成17年にこの法律は改正され、流入する汚濁負荷の削減や流出水対策地区の新設が盛り込まれました。また、新たに規制が適用されるようになり、事業者に対してはより厳しい規制が求められるようになっています。これにより、すでに存在する工場や事業場にも新たな基準が適用され、さらなる水質改善が期待されています。

まとめ

湖沼水質保全特別措置法は、日本の湖沼の水質保全を目的とした重要な法律です。環境省を中心に様々な関連機関が連携し、今後もこの法律に基づいた取り組みが進められていくことでしょう。国民の健康を守るため、湖沼の水質を保全することは、私たちの責任です。

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