準菜食主義

準菜食主義（セミ・ベジタリアン）

準菜食主義とは、主に植物性食品を中心に食生活を営みつつ、時折肉類を摂取する食のスタイルを指します。セミ・ベジタリアン、デミ・ベジタリアンとも呼ばれ、この概念は国際ベジタリアン連合によって完全な菜食主義とは認められていません。準菜食主義者は、一般的な肉食者に比べて肉の摂取量が少ない特徴を持っています。エスニックや文化的背景によって、菜食主義の捉え方は異なることが多く、特に日本では歴史的に肉の価格が高かったため、自然とこうした食スタイルが根付いていました。

フレキシタリアン（flexitarian）という言葉は、柔軟性を持った菜食主義を意味しており、時には肉や魚を摂取する人々を指します。日本では「ゆるベジタリアン」とも言われ、比較的抵抗感なく植物中心の生活を取り入れたいと考える人々に支持されています。フレキシタリアンという考えが普及する中、Ipsos MORI社による2018年の調査では、世界全体の14%がフレキシタリアンであることが報告されています。このように、準菜食主義は肉食を完全に排除するのではなく、選択的に取り入れる形で健康や動物福祉への配慮を示すスタイルとなっています。

この食スタイルの背景には、体重管理、宗教的な理由、動物の権利への配慮、環境への意識など、さまざまな要因があります。特に近年は、環境への配慮が重要視されるようになり、フレキシタリアンというスタイルは持続可能な生活を目指す人々によって好まれるようになっています。

また、フレキシタリアンは独自のライフスタイルを持つことが特徴で、特定の日に肉や魚を食べないことを習慣化する「ミート・フリー・マンデー（肉を食べない月曜日）」のような取り組みも注目されています。特にInstagramなどのSNSでは、こうした取り組みが広がりを見せ、特にミレニアル世代に多く支持されていることも大きな流れとなっています。2018年には、ミート・フリー・マンデーに関する投稿が16万件を超えており、このことからもフレキシタリアンの普及とその人気が伺えます。

全体として、準菜食主義は厳格な菜食主義とは異なり、より柔軟で取り入れやすい方法で健康や倫理に配慮した食生活を目指すスタイルとして、多くの人に受け入れられています。これからの食文化において、準菜食主義は重要な役割を果たすことでしょう。

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