準通貨

準通貨とは

経済学において、準通貨（じゅんつうか）とは、現金通貨や預金通貨と並んで決済手段として機能する資産を指す用語です。これらの資産は、解約手続きを行うことでいつでも現金化できるという特性を持ちます。

準通貨の具体例

準通貨に分類される主なものとしては、以下のものがあります。

定期預金: 預入期間が定められており、満期日まで引き出すことができない代わりに、預金期間に応じて利息が付与される預金。
据置貯金: 一定期間引き出すことができない貯金で、期間経過後に引き出しが可能となる。
定期積金: 一定期間、定期的に一定額を積み立てる貯金。

これらの金融商品は、預金口座に預け入れている現金同様に、近い将来現金化が可能であるため、準通貨として扱われます。

マネーストックにおける準通貨

マネーストックとは、経済全体に流通する通貨の総量のことで、M1、M2、M3といった指標で表されます。準通貨は、最も広義のマネーストックであるM3に含まれています。

M1: 現金通貨と預金通貨の合計。
M2: M1にCD（譲渡性預金）を加えたもの。
M3: M2に準通貨を加えたもの。

M3は、金融市場全体の流動性を把握するための重要な指標として用いられています。準通貨は、M3を構成する重要な要素の一つであり、市場における資金の流れを分析する上で不可欠な存在です。

準通貨の役割

準通貨は、現金や預金に準ずる資産として、人々の資産形成や金融市場の安定に貢献しています。特に、定期預金や定期積金は、計画的な貯蓄を促し、個人の資産形成を支援する役割を果たします。

また、準通貨は、金融機関の資金調達の手段としても利用されています。金融機関は、預金者から集めた資金を、融資や投資に活用することで、経済活動を支えています。

まとめ

準通貨は、現金化が容易な金融資産であり、決済手段として利用可能な重要な資産です。マネーストックの構成要素の一つとして、金融市場全体の動向を把握する上で欠かせない概念と言えるでしょう。個人の資産形成から金融市場の安定まで、幅広い役割を担っています。

参考文献

準通貨 とは - コトバンク

もう一度検索