滑川渓谷

滑川渓谷（なめかわけいこく）は、愛媛県東温市海上に広がる美しい自然の景観を誇る渓谷です。この場所は四国八十八景の62番として「自然が創り出した芸術の世界」として認定されており、訪れる人々に感動をもたらしています。渓谷は中山川の支流である滑川に沿って形成され、周囲には壮大な四国山地の高い山々がそびえています。その標高は最も高い地点で525メートルに達し、自然の力による芸術的な風景を堪能することができます。

滑川渓谷は皿ヶ峰連峰県立自然公園の一部に位置し、約1kmにわたって整備された遊歩道が設けられています。この遊歩道では、ナメラ岩と呼ばれる大きな一枚岩の上を水が流れ、その流れを感じながら親密に自然を散策することが可能です。訪れる人は、木の橋を渡ったり、時には水に足を浸しながら渓流を楽しむことができます。また、岩壁は長い歳月にわたり浸食され、風化した砂礫岩の独特な肌を見せています。

渓谷における最も印象的なスポットは、遊歩道の終点に位置する「龍の腹」と呼ばれる奥の滝です。この滝は、三方を岩壁に囲まれた静かな空間に流れ込む水がまるで白い糸のように見え、その幻想的な景色は昼間でも薄暗く神秘的な雰囲気を醸し出します。木々の間を透かして差し込む光とともに、自然が作り出した美しい景観を楽しむことができます。

遊歩道の経路は、上流に向かって潮嶽、前の滝、龍の尾、箕渕、熊の爪、犬くぐり、龍の腹、そして奥の滝と名付けられたスポットが点在しています。入口から遊歩道に入ると、休憩所である滑川清流ハウスを経て、中の原を通り、奥の滝への600メートルの道のりを進むことになります。この途中には、3メートルほどの鉄梯子を一か所上る場所が存在します。潮嶽へは、トイレの近くから左に下ると、いくつかの鉄の梯子を下りながら前の滝に向かうことができます。ゴールの奥の滝へ向かうまでの道は整備されていますが、一部の場所は人通りが少なく、道が不明朗になることもあります。

交通のアクセスとしては、国道11号線から落手トンネルの西口を出たところの交差点から県道302号線を進むことができます。約7kmで、最後の民家を過ぎてからはアスファルト道からコンクリートの道に変わり、300メートルほどで渓谷に到着します。また、遊歩道入口のすぐ手前には無料の駐車場があり、普通車は約6台駐車可能です。その約30メートル手前には、有料駐車場が設けられており、こちらは普通車一台あたり100円で約15台が駐車できます。バスも駐車可能なナビゲーション機能が充実しているため、訪問者にとってアクセスも便利です。自然の美しさと調和した滑川渓谷は、訪れる価値のある場所として、多くの人に愛されています。

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