滝澤三郎

滝澤 三郎について

滝澤三郎（たきざわさぶろう、1948年生まれ）は、日本の著名な公務員、国際機関職員、教育者であり、様々な分野での経験を持つ専門家です。彼は、法務省での勤務を経て、国際連合難民高等弁務官事務所（UNHCR）で重要な役割を果たしました。現在は、東洋英和女学院大学の名誉教授であり、ケア・インターナショナル・ジャパンの副理事長も兼任しています。著書には、難民支援や国際的な職業スキル開発に関する作品が多数あります。

学歴と初期キャリア

長野県に生まれた滝澤は、中学生の頃に健康上の問題から一時休学を余儀なくされましたが、その後無事に高校を卒業しました。埼玉大学教養学部を1972年に卒業した後、東京都立大学大学院で修士課程を修了し、さらに博士課程の単位取得へ進みました。1976年には法務省に入省し、以降入国管理局や訟務局での勤務を経て、1978年から1980年までカリフォルニア大学バークレー校で経営学修士（MBA）を取得しました。

国際機関でのキャリア

大学院生時代から国際機関への関心を持っていた滝澤は、1981年に国際連合ジュネーブ事務局で内部監査担当者として働き始めました。彼は1983年に国連パレスチナ難民救済事業機関（UNRWA）において日本人として初めて勤務し、その後国際連合工業開発機関（UNIDO）で監察部長、財務部長といった役職を歴任しました。2002年からはUNHCRジュネーブ本部で財務局長として活躍し、その後駐日代表も務めました。

UNHCRでの活動

滝澤は、UNHCRで28年にわたり財務や会計の専門家として貢献し、資金調達や業務調整部門の統括を担当しました。彼は組織の財務状況を分析し、財政問題への対応策を模索し、資金の配分の効率化や透明性の向上、説明責任の強化に取り組みました。

教育と研究歴

国連大学での教鞭を経て、2009年から2016年まで東洋英和女学院大学で教授として活動し、国際協力研究科の長も務めました。東京大学大学院と早稲田大学でも教授職を果たし、さまざまな学会で難民政策や国際協力に関する研究に従事しました。著作には難民問題に関するものが多く、公共政策における彼の知見は社会的な理解を深めるための資料となっています。

難民問題に対する見解

日本における難民の受け入れが非常に少ない現状に対し、滝澤は国際的な責任感からもっと多くの難民を受け入れるべきだと主張しています。難民受け入れのコストよりも、受け入れを行わない場合に発生する外交的な不利益が大きいとし、効率的な責任分担の下での適切な制度運用の重要性を強調しています。また、近年の難民問題には、従来の政治亡命者を中心とした体制が満たされないことに気付き、大規模な難民問題に対応するためには新たな視点が必要だと述べています。

近年の活動と見解

近年、滝澤はスリランカやトルコでの現地調査を行い、それぞれの国において難民認定がどのように行われているかについて意見を述べました。日本の難民認定実務の課題に関しても触れ、特にクルド人やスリランカ人の受け入れに関する見解を示しました。彼は移民政策や難民政策の変革に取り組んでおり、評価されたのは2022年のウクライナ避難民の受け入れ政策の転換点です。

人物

趣味はマラソンであり、66歳で始めた活動を続け、チャリティとして難民支援に還元するイベントにも参加しています。彼の人生は、専門家としてのキャリアとともに、社会貢献に向けた熱意で貫かれています。

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