滝澤彩

滝澤 彩（たきざわ あや）は、1988年3月18日に神奈川県相模原市で生まれた、日本の元女子プロ野球選手です。

彼女の野球人生は、高校時代に輝かしい記録を残すことから始まります。高校3年生時にはチームの主将としてリーダーシップを発揮し、選抜大会と総体（全国高等学校総合体育大会）の両方で全国制覇を達成しました。特筆すべきは、これら二つの全国大会の決勝戦を、いずれも延長戦の末に1対0という緊迫したスコアで勝利していることです。高校卒業後、日本体育大学に進学し、ここでもソフトボール部の主将としてチームを牽引しました。

大学卒業後の2009年、日本女子プロ野球機構が初めて実施した合同トライアウトに挑戦し、見事に合格します。同年12月に行われたドラフト会議を経て、兵庫スイングスマイリーズへの入団が決定し、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせました。

プロ入り当初の2010年シーズンは、主に代打や守備固めとして試合に出場する機会が多くありました。しかし、限られた打席数の中でも、特に死球の多さが際立ちました。このシーズン、23打席に立った中で実に5個もの死球を受けており、これはチームで最も多い数でした。

彼女はプレーだけでなく、その明るい人柄でもチームに貢献しました。特に、自身が考案した掛け声「1・2・3 ファイヤー!」はチーム内で広く浸透し、選手たちのブログにもたびたび登場するほど愛されました。この掛け声はチームの一体感を高める力となり、2011年の前期優勝決定試合では、選手たちが円陣を組んでこの掛け声を叫び、勝利への士気を高める光景も見られました。

選手として迎えた2013年シーズンには、持ち前の実力を遺憾なく発揮します。主に一塁手として出場し、その優れた守備や打撃が評価され、見事にベストナインを受賞しました。チームの中心選手として活躍を続けますが、2014年シーズン終了後に現役を引退することを決断します。

プロ選手としてのキャリアを終えた後も、女子野球への情熱は冷めませんでした。2015年シーズンからは、レイア（当時はイースト・アストライア）のコーチに就任し、後進の指導にあたります。しかし、コーチとしては一年でその職を退きました。

彼女がプロ選手として背負った背番号は、キャリアを通じて2番と3番でした。入団当初の2010年から2011年、そして2013年から引退する2014年までは背番号2を着用しました。2012年シーズンのみ、背番号3をつけてプレーしています。

滝澤彩は、高校・大学での主将経験で培ったリーダーシップと、プロ野球でのベストナイン受賞に代表される確かな実力、そしてチームを明るくする人柄を持ち合わせた選手でした。彼女の存在は、女子プロ野球の初期において、チームに活気と貢献をもたらしました。

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