滝里駅

滝里駅は、かつて北海道芦別市滝里町に存在した、北海道旅客鉄道（JR北海道）根室本線の駅でした。しかし、滝里ダムの建設という時代の波にのまれ、その短い歴史に幕を閉じました。

歴史

滝里駅は、滝里ダム建設に伴う水没と、野花南駅 - 島ノ下駅（現在の島ノ下信号場）間での新ルートへの切り替えにより、1991年（平成3年）10月22日に廃駅となりました。この新ルートは、滝里トンネルと島ノ下トンネルを経由するものでした。

年表

1913年（大正2年）11月10日：鉄道院釧路本線（後の根室本線）の奔茂尻駅として開業。当時は一般駅でした。
1946年（昭和21年）5月1日：滝里駅に改称。
1949年（昭和24年）6月1日：日本国有鉄道（国鉄）に移管。
1961年（昭和36年）9月20日：貨物取扱いを廃止。
1982年（昭和57年）5月30日：荷物取扱いを廃止。同時に無人化。
1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化によりJR北海道に継承。
* 1991年（平成3年）10月22日：野花南 - 島ノ下間の線路付け替えにより廃止。

駅名の由来

旧駅名の「奔茂尻」は、アイヌ語の「ポンモシㇼ（pon-mosir）」（小さい・島）に由来します。これは、かつて空知川にあった川中島を指していました。駅名が改称されたのは、所在地の地名に合わせたためです。滝里は現在、ダムのすぐ下流にある空知大滝の上流にあたる土地です。

駅構造

滝里駅の構造は、隣接する野花南駅や島ノ下駅とほぼ同じでした。ホームは千鳥状に配置され、完全に分離していました。駅舎横の野花南側には下り方面の単式ホームがあり、構内踏切を渡った島ノ下側には島状の上り方面単式ホームがありました。全体として2面2線の構造で、その外側には副本線と、駅舎横の貨物積み卸し場への引き込み線がありました。貨物・荷物取扱いの廃止や無人化に伴い、貨物用の側線や副本線は撤去され、最終的には単式ホーム2面2線のみの運用となりました。

跡地

滝里ダムの建設により、駅舎は水没してしまいました。ダム湖の底に、かつての駅の面影を偲ぶことはできません。

隣の駅

廃止時点での滝里駅の隣の駅は以下の通りでした。

北海道旅客鉄道（JR北海道）

根室本線：野花南駅 - 滝里駅 - 島ノ下駅

滝里駅は、その短い歴史の中で、地域の足として、また貨物の輸送拠点として重要な役割を果たしました。ダム建設という時代の流れには逆らえず姿を消しましたが、その存在は今もなお、地元の人々の記憶に深く刻まれています。

国立国会図書館近代デジタルライブラリーでは、「下富良野線建設概要」（鉄道院北海道建設事務所，大正2年発行）という資料が公開されており、当時の鉄道建設の様子を知ることができます。

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