漣 (雷型駆逐艦)

漣（さざなみ）の歴史と特徴

漣（さざなみ）は、1898年に名付けられた日本海軍の駆逐艦であり、雷型の4番艦にあたります。この艦の名前の由来は「微風によって生じる水面の波紋」で、一般的に「細波」とも呼ばれています。また、同じ名称の艦船があり、混同を避けるために「漣（初代）」や「漣I」とも表記されます。

艦建造と回航の経緯

漣は、1897年の第一期拡張計画に基づいてヤーロー社で建造されました。1898年3月16日、建造中の「第六号水雷艇」が漣と命名され、その後、1899年には佐世保水雷団水雷艇隊に配属されました。9月14日にはイギリスに到着し、10月には日本へ向けて出港しました。回航中は各地に寄港し、約半年をかけて佐世保に帰還しています。この間、主機に不具合が発生し、コロンボで修理を行う一幕もありました。

日露戦争と艦籍の変更

1904年に始まる日露戦争では、漣は重要な役割を果たしました。旅順口攻撃や黄海海戦に参加し、特に1905年の日本海海戦では、ロシア駆逐艦ベドーヴイを拿捕し、名将ロジェストヴェンスキーを捕虜にしました。この戦闘を経て、同年漣は軍艦から独立した駆逐艦に艦籍を変更しています。

後の運命

1908年には長崎で試運転を実施し、1912年に艦艇類別標準が改定される際、漣は三等駆逐艦に分類されました。ところが、1913年には駆逐艦籍から除籍され、以降は雑役船として「漣丸」に改名されました。1914年から翌年にかけては青島の戦いに従軍し、その後は標的船として使用されるための改造が行われました。

最終的な処分

1916年8月に館山沖で標的として撃沈処分され、同年10月には廃船となりました。最後には1917年に沈没廃船として売却され、漣の80年近くにわたる活躍の幕を閉じました。

結論

漣の歴史は、日本海軍の発展と戦略の変遷を象徴するものであり、駆逐艦としての役割を全うした後、その存在が標的船という形で再利用されるなど、艦船の運命とその活用の多様性を示しています。今では過去の艦船として記憶される漣ですが、その記録は海軍の歴史において重要な一部となっています。

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