澁谷純希

澁谷 純希（しぶや じゅんき）

北海道帯広市出身のプロ野球選手（投手）。2006年11月25日生まれ。左投げ左打ち。現在は北海道日本ハムファイターズに育成選手として所属している。

若き才能の歩み

地元の帯広市立豊成小学校で3年生の時、「豊成ファイターズ」に入り野球を始めた。その後、帯広市立南町中学校の軟式野球部でプレーを続けた。

高校は帯広農業高校に進学。入学当初から2年生の秋にかけては、主に野手としてプレーしていた。しかし、その道のりは決して平坦ではなかった。1年生の秋には左足首を骨折する怪我に見舞われた。さらに、2年生の春頃から左肘に違和感を覚え始め、診断の結果、神経麻痺と判明。2年生の夏の大会終了後に手術を受けることとなった。

度重なる怪我からの回復を経て、2年生の秋季大会後から本格的に投球練習を開始。投手としてのキャリアを歩み始めたのは比較的遅かった。3年生の春季十勝支部予選で、対帯広柏葉戦において公式戦での初めてのマウンドを踏んだ。最後の夏は、十勝支部予選の決勝まで進んだものの、帯広大谷高校に敗れ甲子園出場は叶わなかった。結局、高校3年間での公式戦登板数はわずか4試合に留まった。

プロへの転機

公式戦での経験が少ないことから、「もっとたくさん投げたい」という強い思いを抱いていた澁谷は、自ら親に懇願し、約27万円の費用を自己負担して「リーガサマーキャンプ」というトライアウト形式のイベントに参加した。この場で彼は才能を開花させる。準決勝において、自己最速を更新する147km/hのストレートを計測し、5回を投げて8個の三振を奪い、自責点ゼロという圧巻の投球を見せた。このサマーキャンプでのパフォーマンスが、プロのスカウトの目に留まる大きなきっかけとなった。

北海道日本ハムファイターズへ

2024年10月24日に開催されたプロ野球ドラフト会議にて、北海道日本ハムファイターズから育成選手として2位指名を受けた。地元球団からの指名は、幼少期からファイターズファンだった彼にとって格別の喜びとなった。同年12月8日には球団との本契約を締結。契約金にあたる支度金は300万円、推定年俸は260万円で合意に至った。同日行われた新入団選手発表会見では、プロでの背番号が「122」となることが発表された。

選手としての特徴と将来像

最速147km/hを誇る力強いストレートが最大の武器である。また、自信を持っている変化球としてナックルカーブを挙げており、緩急を使った投球も期待される。高校時代に野手として培った経験も、今後の投手としての成長に繋がる可能性がある。

興味深い背景

意外なつながりとして、日本相撲協会の八角理事長（元横綱 北勝海）が、澁谷の祖母の従兄弟にあたる遠縁の親戚であることが知られている。ドラフト指名を受けた際には、八角理事長から祝福のメッセージが寄せられたという。

また、熱心な日本ハムファンである彼は、小学5年生の時に、当時ファイターズに所属していた大谷翔平選手が帯広の森野球場で放った場外ホームランを、スタンドで直接観戦していたというエピソードを持つ。憧れの球団で、かつて憧れの選手が活躍したグラウンドを本拠地とするチームで、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせることになったのは、まさに運命的な巡り合わせと言えるだろう。

公式戦登板経験は少ないものの、隠されたポテンシャルと努力が評価され、プロの世界への扉を開いた澁谷純希。育成選手として、これからファームでの実戦経験を積み、一日も早い支配下登録、そして一軍での活躍を目指していく。

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