澤木宣彦

澤木宣彦氏は、1945年生まれの日本の電子工学者であり、名古屋大学の名誉教授です。また、英国物理学会フェローとIEEEフェローという、国際的にも権威ある称号を有しています。

岐阜県で生まれた澤木氏は、岐阜県立恵那高等学校を卒業後、1968年に名古屋大学工学部電気工学科を卒業しました。その後、名古屋大学大学院工学研究科に進み、1973年に博士課程を修了、工学博士の学位を取得しました。

大学院修了後、澤木氏は名古屋大学工学部助手として教鞭をとり始め、1977年に講師、1982年に助教授へと昇進しました。1988年には、オーストリアのインスブルック大学で客員教授を務め、国際的な研究活動にも携わりました。1999年には英国物理学会フェローに選出され、その研究業績が国際的に認められました。

2000年には名古屋大学ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー長に就任し、大学発の技術革新の推進に貢献しました。2001年には名古屋大学赤崎記念研究センター長として、赤﨑勇教授のノーベル賞受賞につながる研究を支えました。2002年には名古屋大学評議員に選任され、大学運営にも参画しました。2004年には名古屋大学大学院工学研究科長・工学部長に就任し、教育・研究の両面で大学の発展に大きく貢献しました。また、同年にはIEEEフェローにも選出され、その卓越した業績は国際的にも高く評価されています。2007年には応用物理学会フェローにも選出されています。

2009年に名古屋大学を定年退職した後、愛知工業大学教授に就任し、後進の育成に尽力しています。また、2024年には長年の教育・研究における功績が認められ、瑞宝中綬章を受章しました。

澤木氏の主な著書には、『電子通信材料工学』（培風館、1995年）や『電気・電子材料』（朝倉書店、2014年）があります。後者は、ノーベル賞受賞者の赤﨑勇教授が編者を務めた書籍で、澤木氏は吉田明氏、水谷照吉氏、綱島滋氏と共に執筆に携わりました。

澤木宣彦氏は、長年にわたり電子工学分野の発展に貢献してきた、日本の学術界を代表する人物の一人と言えるでしょう。

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