澤村國矢

澤村 國矢について

澤村 國矢（さわむらくにや）は、1978年6月9日生まれの歌舞伎役者および俳優です。彼の師匠は、二代目澤村藤十郎と日舞の世家真ますみです。屋号は紀伊國屋で、定紋は笹竜胆、舞踊名は世家真 國矢です。本名は吉川 文康です。

来歴

国矢は9歳の時から子役として舞台や映像作品に出演しました。1987年から1992年まで劇団東俳、音羽グループに在籍し、舞台の経験を積んできました。初舞台は1988年7月に歌舞伎座で行われた作品『義経千本桜』で、子狐の役を務めました。2ヶ月後には師匠となる澤村藤十郎と共演し、「歌舞伎役者にしてはどうか」という誘いを受けたことがきっかけで、彼のキャリアは本格的にスタートします。

1991年に、世家真ますみに師事し、日本舞踊を学び始めました。2022年5月には名執を許可され、ますみの教えを受け継いでいくことになります。1995年3月、澤村藤十郎に入門し、同年5月には『第十一回四国こんぴら歌舞伎大芝居』において「澤村國矢」として初めての役を演じました。

2007年には名題適任証を取得し、2010年に『籠釣瓶花街酔醒』で名題昇進披露を行いました。2009年には自主公演「挑む」に参加し、以降の公演でも重要な役割を果たします。特に2016年には『今昔響宴千本桜』での主演により評価を高め、その人気を確立しました。2019年には再演された『今昔響宴千本桜』で初主演を果たし、脇役としても優れた演技で称賛を浴びました。

国矢は、その演技力が評価され、令和元年度の第21回「日本俳優協会賞本賞」を受賞し、2023年9月にその表彰式が行われました。また、2018年には重要無形文化財に認定され、伝統歌舞伎の保存にも関与しています。

人物・その他

国矢は女優の宮菜穂子と結婚しており、家庭生活も充実しています。歌舞伎エンタメ専門誌『演劇界』において、国矢が将来演じたい役として『義経千本桜』の「忠信」役を挙げていたことからも、彼の演技への情熱が伺えます。

2021年にはファンの発案で「928の日」が誕生し、SNS上で国矢のファン同士の交流が広がるなど、新たなファン文化を形成しています。2024年9月には「二代目澤村精四郎」として襲名することが発表され、次のステップへと進むことが期待されます。

総括

澤村國矢は、長年にわたり歌舞伎界で重要な存在感を示してきました。彼の舞台でのパフォーマンスや、伝統を大切にしつつ新しい表現に挑戦する姿勢は、多くのファンから支持されています。これからも彼の活躍から目が離せないでしょう。

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