瀬川光蔵

瀬川 光蔵（せがわ みつぞう）

瀬川光蔵氏は、1947年2月25日に生まれた日本の実業家です。長年にわたり、日本の物流業界を牽引する日本通運株式会社において要職を歴任し、最終的には取締役常務執行役員を務めました。また、関連会社である日通トランスポート株式会社では代表取締役社長を務めるなど、多岐にわたる経験を持ちます。

若年期と学生時代

瀬川氏は1965年に流通経済大学経済学部へ入学し、学びを深めました。大学在学中は学業だけでなく、ラグビー部に所属し、精力的に活動しました。スポーツを通じて培われた精神は、その後のキャリアにも影響を与えたことでしょう。1969年、同大学経済学部を卒業しました。

日本通運でのキャリアパス

大学卒業と同じく1969年、瀬川氏は日本通運株式会社に入社しました。以来、約40年にわたり同社の発展に貢献することになります。

キャリアの初期には、現場や管理部門で経験を積み、物流の実務に精通していきました。着実に実績を重ね、1999年には函館支店長に就任し、地域物流拠点の運営責任者としての手腕を発揮します。続いて、2001年には本社へと異動し、作業管理部長に就任。物流現場の効率化や品質向上に関わる重要な役割を担いました。2002年には作業管理部長に加え、業務部長も兼務することとなり、担当領域をさらに広げました。

2003年には執行役員に選任され、主要拠点の一つである札幌支店長を務めました。役員として経営の一端を担うようになり、そのリーダーシップが評価されます。そして2006年には、同社の最高意思決定層の一角を占める取締役常務執行役員に昇進しました。この役職では、「ペリカン・アロー部」を担当し、日本通運の主要事業であった宅配便や特別積合せ貨物輸送といった小口輸送事業を統括しました。これは、当時の日本通運にとって非常に重要な戦略部門であり、その責任者として采配を振るいました。この間の詳細な経営状況については、日本通運株式会社の有価証券報告書（例として2005年4月1日-2006年3月31日期のものが参考文献として挙げられています）などに記録されています。

日通トランスポート社長としての手腕

日本通運で取締役常務執行役員を務めた後、瀬川氏は2009年にグループ会社である日通トランスポート株式会社の代表取締役社長に就任しました。関連会社のトップとして、その経営を担い、グループ全体の事業強化に貢献しました。2011年に同社の社長職を退任しました。

多岐にわたる社会貢献活動

日本通運グループでの職務と並行し、あるいは退任後も、瀬川氏は様々な公的な職務や社会貢献活動に精力的に取り組みました。

特に、母校である流通経済大学との関わりは深く、校友会においては幹事や総務部長を務めるなど、大学の発展や卒業生間の連携強化に尽力しました。流通経済大学ラグビー部のstaff blogにも、氏に関する記述が見られる（2012年1月30日）ことから、母校スポーツへの関心も高かったことがうかがえます。流通経済大学校友会の外部リンクも、氏の活動に関連するものとして挙げられています。

また、専門分野である物流に関連した公的な委員会にも複数参加しています。北海道運輸局関連の北海道グリーン物流パートナーシップ推進協議会では委員を務め、環境負荷低減に配慮した物流システムの推進に貢献しました。全日本トラック協会では特別積合せ委員会の委員長として、トラック輸送における重要な分野の標準化や課題解決をリードしました。さらに、北海道開発局関連の雪氷輸送物流システム検討調査委員会でも委員を務め、寒冷地特有の物流課題の解決に向けた検討に加わりました。

加えて、NPO法人 危機対応能力開発機構では顧問を務め、社会の危機管理能力向上にも知見を提供しました。これらの活動を通じて、物流業界全体の発展、地域社会への貢献、そして社会的な課題解決に広く関与しました。

講演活動

豊富な実務経験を持つ瀬川氏は、その知識や経験を次世代に伝える活動も行いました。流通経済大学では、2007年と2008年にかけて日本通運寄付講座に登壇し、「宅配便事業者の事業戦略」というテーマで講演を行いました。これは、物流業界を目指す学生たちにとって、実際のビジネスの最前線に触れる貴重な機会となりました。

まとめ

瀬川光蔵氏は、日本通運での長年にわたるキャリア、特に取締役常務執行役員としての経営経験、日通トランスポート社長としてのリーダーシップに加え、母校や物流関連の各種委員会、NPOでの活動を通じて、日本の物流業界と社会に多大な貢献をしてきた人物と言えます。その軌跡は、現場から経営、そして社会貢献へと広がる、物流マンとしての模範的なキャリアパスを示しています。

もう一度検索