瀬戸デジタルタワー

瀬戸デジタルタワー：名古屋地区地上デジタル放送の中枢

瀬戸デジタルタワーは、愛知県瀬戸市にそびえる高さ245mの電波塔です。名古屋地区における地上デジタルテレビ[[放送]]の中核を担い、NHK名古屋[[放送局]]（総合・Eテレ）と、東海テレビ放送、中京テレビ[[放送]]、CBCテレビ、名古屋テレビ[[放送]]、そしてテレビ愛知の6局からの電波を送信しています。正式名称は瀬戸デジタルテレビ放送所です。

デジタル化への道のり：新たな送信拠点の必要性

2003年12月1日、関東・近畿圏と同時に名古屋地区でも地上デジタル放送が開始されました。しかし、既存のアナログ放送送信所である名古屋テレビ塔と東山タワーは、老朽化とスペースの不足により、デジタル放送用のアンテナを設置することが不可能でした。そのため、デジタル放送用の新たな送信拠点が必要になったのです。

当初は、RADIO-i（2010年閉局）と同じ三国山からの送信も検討されました。三国山には実際にデジタル放送実験局が設置されましたが、他エリアへの電波到達（スピルオーバー）の問題から、最終的に瀬戸市内の住宅地に建設されることが決定しました。この場所は標高108mの高台に位置しています。

建設と放送開始：段階的な出力増強

瀬戸デジタルタワーの建設は2002年6月6日に起工式が行われ、2003年8月23日に塔が完成しました。同年10月20日には試験電波の発射、11月30日には竣工式が行われ、12月1日には全ての局が30Wの小出力で本放送を開始しました。その後、2004年8月3日から段階的に出力が増強され、同年9月29日にテレビ愛知が1kW、同年12月1日にはそれ以外の局が3kWのフルパワーでの放送を開始しました。

放送エリアと送信設備

瀬戸デジタルタワーからの放送エリアは、愛知、岐阜、三重の東海3県の一部地域をカバーしています。NHKと民放4局の放送エリアはほぼ東海3県に限定されますが、テレビ愛知は愛知県の大部分をカバーし、岐阜県、三重県の一部地域にも電波が届きます。

タワー上部には、上段にNHK総合とEテレ、中段にCBCテレビ、東海テレビ放送、名古屋テレビ[[放送]]、中京テレビ[[放送]]、下段にテレビ愛知の送信アンテナが設置されています。上段と中段のアンテナは複数の局で共用されています。

併設施設：デジタル技術に触れる機会

瀬戸デジタルタワーの隣には、瀬戸市デジタルリサーチパークセンターが併設されています。センター内には、スタジオ、マルチメディア電子会議室、インターネットコーナーなどが設置されており、自由に利用できます。また、タワー上部に設置されたカメラの映像を遠隔操作で視聴できるコーナーもあり、瀬戸市周辺の景色を楽しむことができます。センター内には地上デジタル放送を視聴できるテレビも設置されていますが、タワーの真下のため電波が受信できず、ケーブルテレビで視聴しています。

中継局の設置と今後の展望

瀬戸デジタルタワーの竣工後も、一部地域で受信状況が改善されない場所があったため、NHKとテレビ愛知を中心に中継局の設置が進められました。瀬戸デジタルタワーは、今後も名古屋地区の地上デジタル放送を支え、デジタル技術の発展に貢献していくでしょう。

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