火鬼

火鬼（かき）について

火鬼（かき）は、将棋における独特な駒の一つであり、通常の本将棋には存在しません。しかし、天竺大将棋や大局将棋などのバリエーションにおいては重要な役割を果たします。

天竺大将棋における火鬼

天竺大将棋では、火鬼は水牛の成駒として登場します。興味深いことに、火鬼は成ることができません。この駒の特徴的な能力は、特別な捕獲ルールにあります。一般的な取り方に加え、火鬼は「焼く」という特殊な方法で敵の駒を取ることができます。この「焼く」とは、火鬼が自ら移動して止まった場所の周囲八マスに敵の駒があれば、それら全てを取ることができるというものです。

さらに、敵の駒が火鬼の隣のマスに移動した場合、その駒も「焼かれてしまう」のです。興味深い点は、この行動は1手としてカウントされないため、戦略において大きな影響を与える可能性があります。

ただし、この能力のため、移動範囲が限られた小駒が1マスずつしか移動できない場合、火鬼を取ることはできません。このルールが火鬼の脆弱性を補完し、プレイヤー間の戦術的駆け引きを生み出します。

大局将棋における火鬼

大局将棋では、火鬼は成ったときに「奔火」という特性を持ちます。これは、戦局が進むにつれて火鬼の力を強化するものであり、さらに周囲の敵駒に対する影響を強めます。

生み出される戦略はこれまでの駒と異なり、駒同士の距離や配置において新しい考え方が求められます。火鬼の特異な行動パターンにより、プレイヤーは慎重に駒を配置し、火鬼を利用するための戦術を練る必要があります。

まとめ

火鬼は将棋の中でも特に独自の存在感を放つ駒であり、特に天竺大将棋や大局将棋においてはその存在感が際立っています。特にその「焼く」能力は、従来の将棋の戦略とは異なる局面を生み出し、プレイヤーに新たな挑戦をもたらします。こうした特性を踏まえれば、火鬼が放つ魅力的な陰影は、将棋愛好者にとって忘れがたいものとなるでしょう。

脚注

火鬼についての詳しい情報は、梅林勲・岡野伸共著の『改訂版 世界の将棋・古代から現代まで』に記載されています。この文献は、将棋の多様なバリエーションについて深く知りたい方にとって必携の一冊です。

関連項目

• - 将棋類の一覧
• - 将棋類の駒の一覧

もう一度検索