炎の導火線

ヴァン・ヘイレンの金字塔：デビューアルバム『炎の導火線』

1978年、世界はヴァン・ヘイレンという彗星の如きバンドの出現を目の当たりにすることとなる。彼らのデビューアルバム『炎の導火線』(原題:Van Halen)は、瞬く間に音楽シーンに衝撃を与え、ハードロックの歴史に燦然と輝く金字塔となった。

このアルバムの最大の特徴は、何と言ってもエドワード・[[ヴァン・ヘイレン]]の類まれなギターテクニックだ。彼の革新的なライトハンド奏法は、音楽業界に旋風を巻き起こし、後の数多くのギタリストに多大な影響を与えた。特にインストゥルメンタル曲「暗闇の爆撃」におけるソロは圧巻で、2009年には『Guitar World』誌が選出した「50グレイテスト・ギター・ソロ」において堂々の2位にランクインするなど、その評価は揺るぎないものとなっている。この曲は、エディが個人練習で弾いていたフレーズを、プロデューサーのテッド・テンプルマンが偶然耳にしたことがきっかけでレコーディングされたという逸話も残っている。

アルバム制作は、スタジオライブを彷彿とさせる勢いのあるものだったと伝えられており、多くの楽曲がほぼ一発録りで完成したという。その生々しさ、そして圧倒的な演奏力は、リスナーを魅了して止まない。

楽曲の多様性もまた、このアルバムの魅力の一つだ。キンクスの名曲「ユー・リアリー・ガット・ミー」のカヴァーや、ブルースミュージシャンであるジョン・ブリムの「アイス・クリーム・マン」のカヴァーなど、幅広い音楽性を垣間見ることができる。特に「アイス・クリーム・マン」は、後にデイヴィッド・リー・ロスがソロアルバム『ダイアモンド・デイヴ』で再演するなど、長く愛され続ける楽曲となっている。「悪魔のハイウェイ」は映画『リトル★ニッキー』などのサウンドトラックにも使用され、その人気ぶりは広く知られている。

商業的な成功も著しく、アルバムは全米19位を記録し、シングル「ユー・リアリー・ガット・ミー」は全米36位、「悪魔のハイウェイ」は84位にランクインした。さらに、ロングセラーとなり、1996年にはアメリカ国内での売上枚数が1000万枚を突破、RIAAによりダイアモンド・ディスクに認定される快挙を達成した。『ローリング・ストーン』誌が選ぶ「オールタイム・グレイテスト・アルバム500」では292位、「オールタイム・ベスト・デビュー・アルバム100」では27位にランクインしており、その歴史的価値と影響力は計り知れない。

メンバーの個々の演奏力もさることながら、デイヴィッド・リー・ロス(ボーカル)、ギター'>[エドワード・ヴァン・ヘイレン]、マイケル・アンソニー(ベース)、アレックス・[ヴァン・ヘイレン]という、まさに黄金の布陣が奏でる音楽は、今もなお多くの音楽ファンを魅了し続けている。まさに、ハードロックの歴史に燦然と輝く、不滅のデビュー作と言えるだろう。

もう一度検索