炎の少女チャーリー

概要

『炎の少女チャーリー』は、1984年に公開されたアメリカのホラー映画で、スティーブン・キングの小説『ファイアスターター』を原作としています。この映画はドリュー・バリモアが主演を務め、全米で初登場1位となる大ヒットを記録しました。その成功は、King作品の映画化がもたらした興味に大きく寄与しています。

映画製作に向けた動きは、1980年にキングが小説を発表した際から始まりました。原作の映画化権はエジプト人プロデューサーによって1000万ドルで購入されたものの、実際の企画は宙に浮いていました。その後、権利はディノ・デ・ラウレンティスとユニバーサル映画へと移り、当初はジョン・カーペンター監督が想定されていましたが、彼のビジョンと脚本が原作から大きく異なってしまったため、プロジェクトは一時停止に追い込まれました。カーペンターはその後、別のキング作品『クリスティーン』に関わることになり、最終的にはスタンリー・マンによる脚本で、マーク・L・レスターが監督を務めるに至ります。

撮影はノース・カロライナ州で行われ、67日間を要しました。日本では1984年の夏に公開され、当初は原作名のまま『ファイアスターター』という邦題が予定されていましたが、同時期に別の映画が公開された影響で、より混乱を避けるため『炎の少女チャーリー』というタイトルに変更されました。

ストーリー

物語は、アンディとヴィッキーという大学生が新薬の臨床試験に参加するところから始まります。この新薬は超能力を引き起こす効果があり、彼らはテレパシー能力を獲得しますが、他の被験者たちはほとんどが死亡するという悲劇が起こります。結婚したアンディとヴィッキーは、彼らの娘チャーリーが超能力を持って生まれてきたことを秘密にしようと決意します。

しかし、チャーリーが9歳のある日、アンディが帰宅すると妻のヴィッキーが殺されていることに気付きます。実は彼らは政府の秘密機関「店（ザ・ショップ）」に監視されており、その機関はチャーリーのパイロキネシス（物を火であぶる能力）を兵器として利用することを目論んでいました。アンディは、愛する娘を守るため「店」のエージェントたちからチャーリーを救出し、逃避行に出ることになります。

原作との違い

映画版と原作小説の間にはいくつかの違いがあります。例えば、原作では重要なキャラクターであるジョン・レインバードがチェロキー族という設定ですが、映画ではその点が言及されていません。また、チャーリーが自身の能力をコントロールするために家庭内での教育を受ける様子もカットされています。さらに、原作でチャーリーがマスコミに訴えかける相手は「ローリング・ストーン」誌なのに対し、映画版では「ニューヨーク・タイムズ」になっているなどの改変が行われています。

キャスト

アンディ役 - ドリュー・バリモア
ヴィッキー役 - ヴィッキー・カポ
その他キャストは主要なエージェントや家族など多彩な顔ぶれが出演しています。

日本語吹替版は1988年に初放送され、BD・DVDにも収録されています。

スタッフ

原作：スティーブン・キング
監督：マーク・L・レスター
製作総指揮：ディノ・デ・ラウレンティス
音楽：タンジェリン・ドリーム
脚本：スタンリー・マン
撮影：ジュゼッペ・ルッツォリーニ
スタントコーディネーター：グレン・ランドール
SFX：マイク・ウッド、ジェフ・ジャーヴィス
編集：デビッド・ローリンズ、ロナルド・サンダース


この映画は、スティーブン・キングの世界観を映像化し、超能力や親子の絆を描いた作品として、多くの観客に影響を与えてきました。

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