炎トリッパー

炎トリッパー (ファイヤートリッパー)

『炎トリッパー』は、高橋留美子による1983年発表の短編漫画作品である。この作品は、「週刊少年サンデー増刊号」に掲載され、その後『高橋留美子傑作短編集2』に収録されている。また、1985年にはOVAとしてアニメ化され、一部の地方テレビ局でも放送された。物語は、主にタイムトラベルと恋愛をテーマにし、特に戦国時代の背景と現代との対比が魅力となっている。

あらすじ

主人公は17歳の高校生、涼子（すずこ）。ある晩、彼女は友人の周平と共にガス爆発事故に巻き込まれる。気が付くと、彼女は無数の屍が転がる戦国時代の合戦場に立っていた。そこで、涼子は少年宿丸に助けられることから物語が始まる。宿丸に「嫁」として村に連れ去られた涼子は、次第に彼に惹かれていく。

一方で、彼女は宿丸の妹すずが持つ「鈴」を見つけ、その鈴が自分の幼少時代のものと同じであることに衝撃を受ける。涼子は自分が宿丸の妹である可能性に悩み、夫婦となる運命を恐れるようになる。物語は、村が野盗に襲われ、すずが姿を消すところで大きな転機を迎える。涼子は、すずが自分の幼少期の姿だったと確信し、宿丸を庇うために再び炎の中に飛び込む。

涼子は、炎を見ることでタイムスリップする特異な能力「炎トリッパー」であることを知る。彼女と宿丸は、再び現代に戻り、そこで周平が盲腸の手術を受けた子供として成長したのが宿丸であることを明らかにする。タイムスリップを経て二人は自らの運命を選択し、再び戦国時代へ戻ることを決意する。

OVAについて

『炎トリッパー』は高橋留美子作品の中で初のOVA化を果たし、1985年12月にリリースされた。アニメは原作を忠実に再現しつつ、結婚式のシーンが追加されるなど、オリジナルのストーリー展開が行われたため、ファンにとっても見逃せない作品となった。また、OSTもリリースされ、オープニングテーマとエンディングテーマは共に秋元薫が担当した。

登場キャラクター

• - 涼子 / すず: 主人公の高校生。周平と共にタイムスリップする。
• - 宿丸: 戦国時代の少年で、涼子が恋い焦がれる相手。
• - 周平: 涼子の友人で、戦国時代でも重要な役割を果たす。

まとめ

『炎トリッパー』は、タイムトラベルをテーマにした魅力的な物語であり、高橋留美子特有の独特なキャラクター展開とストーリーが魅力となっている。この作品は、彼女の次作『犬夜叉』と深い関わりを持ち、選ばれた運命と恋愛の複雑さが描かれている。コミックやアニメのみならず、音楽や声優陣も含めた展開は、当時のファンにとって記憶に残る体験を提供した。

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