炭酸ニッケル(II)

炭酸[ニッケル]：性質、用途、合成法

炭酸[ニッケル]は、緑色の常磁性固体で、化学式NiCO3で表される無機化合物です。しかし、産業的に最も重要なのは、化学式がNi4CO3(OH)6(H2O)4で表される塩基性炭酸ニッケルです。実験室では、NiCO3やその六水和物がよく用いられます。いずれもNi2+イオンを含み、緑色の常磁性固体として存在します。

塩基性炭酸ニッケルの用途

塩基性炭酸ニッケルは、鉱石の湿式製錬における中間生成物として重要な役割を果たしています。また、電気めっきの分野においても広く利用されており、金属ニッケルの被膜形成に貢献しています。さらに、いくつかのセラミック材料や触媒の前駆体としても使用され、これらの材料の特性向上に寄与しています。

炭酸ニッケルの化学的性質

炭酸[ニッケル]]は酸性水溶液と接触すると加水分解し、六水和ニッケルイオン[Ni(H2O)6]2+、遊離水、そして二酸化炭素の水溶液となります。この水溶液を加熱して二酸化炭素と水を除去する焼成処理を行うと、酸化ニッケル]が生成されます。この反応は、以下の[[化学式で表されます。


NiCO3 → NiO + CO2


得られる酸化ニッケルの性質は、出発物質である炭酸ニッケルの種類に依存します。特に、塩基性炭酸ニッケルから得られる酸化ニッケルは、触媒として優れた特性を示すことが知られています。

炭酸ニッケルの合成法

塩基性炭酸[ニッケル]]は、硫酸ニッケル]と[[炭酸ナトリウムを反応させることで合成できます。この反応は、以下の化学式で表されます。


4Ni2+ + Na2CO3 + 6OH- + 4H2O → Ni4CO3(OH)6(H2O)4 + 2Na+


一方、水和炭酸ニッケルは、二酸化炭素の存在下でニッケルを電解酸化することで合成されます。この反応は、以下の化学式で表されます。


Ni + O + CO2 + 6H2O → NiCO3(H2O)4

天然における炭酸ニッケル

天然においては、炭酸ニッケルは菱ニッケル鉱(gaspéite)として産出します。しかしながら、菱ニッケル鉱は非常に希少な鉱物であり、特に良質な結晶は非常に稀です。これは、菱ニッケル鉱が二次鉱物であるためと考えられます。

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