無党派

無党派とその影響

無党派（むとうは）とは、特定の政党に属しない、または支持しない有権者のことを指します。このような人々は、無所属の公職議員や首長としても活動しており、選挙においては重要な支持層となっています。無党派層は、政治的観点での無関心層と誤解されがちですが、実際には政治への関心を持ちながら特定の政党を支持しない多様な意見を持つグループも多数存在します。

無党派層の特徴と分類

無党派層は、もっぱら選挙結果に大きな影響を与える存在です。日本の政治学者田中愛治は、彼らを以下の三つのグループに分類しています：
1. 政治的無関心層 - 投票に行くことすら少ない。
2. 政党拒否層 - 政治への関心はあるが、政党を支持しない。
3. 脱政党層 - かつては政党を支持していたが、離れた人々。

このように、無党派層の中には、選挙や政治に積極的に関与しようとする層も少なくありません。そのため、無党派の支持を得ることが選挙に勝つ鍵となることが多いのです。

アメリカの無党派層の動向

アメリカでは、投票行動の研究が特に進化しており、1950年代の「ミシガン・モデル」がその基盤となっています。このモデルは、政党への帰属意識に依存したアプローチでしたが、1960年代の社会的変革により無党派層が増大し、特定の争点が投票行動に影響を与える様子が観察されるようになりました。これにより、候補者評価基準が変化し、争点投票モデルが登場しました。1970年代には、政権の業績評価が選挙結果に影響を与える業績投票モデルも現れました。

日本における無党派層の拡大

日本では、無党派層は1960年代後半までは全体の約1割でしたが、1970年代から1990年代初頭にかけてその比率が顕著に増加し、1990年代には半数にも達することがありました。無党派層の増加の背景には、経済成長や社会構造の変化、政治への不信感があるとされています。特に、1991年の山梨県知事選挙では、政党の支援を受けない候補者が当選するなど、無党派層の政治的影響力が浮き彫りになりました。

無党派層の票の行方と選挙活動

無党派層の票は、棄権、政党候補への投票、無所属候補への投票という選択肢があります。無党派層にマイナスイメージを持つ有権者に対しては、無所属候補が好まれる傾向があります。そのため、多くの候補者は、自己の政党色を抑えた選挙活動を行います。

タレント候補を選挙に立てて人気を得ることも一般的な戦略であり、比例代表制での名簿に配置することで、タレントのファンからの支持を期待することもあります。

まとめ

無党派層は、特定の政党に対して無関心であるだけではなく、様々な政治的意見を持ちながら参加する可能性があります。このような層の動向は、選挙の結果に多大な影響を及ぼすため、政党や候補者にとって重要なターゲットとなります。今後も、この層の意向により政治情勢が変化することが予想されます。

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