無色 (曲)

2002年9月11日、GIZA studioより上原あずみさんの5枚目のシングル「無色」がリリースされました。前作『Lazy』から約3ヶ月ぶり、2002年3作目のシングルとして、多くのファンに迎えられました。

このシングル最大のトピックは、なんといってもテレビアニメ『名探偵コナン』のエンディングテーマに起用されたことです。上原あずみさんの楽曲が『名探偵コナン』の主題歌に起用されるのは、これが2度目。既に高い人気を誇っていた彼女の歌声は、多くの視聴者の心を掴みました。

さらに、「無色」は上原あずみさんにとって、大きな転換点となりました。それまで一切メディアへの露出がなかった彼女が、このシングルを機に地上波の歌番組に出演。ミュージックステーションやポップジャムといった人気番組への出演を果たし、全国の視聴者にその存在を印象付けることとなりました。

しかし、この華々しいデビュー後、上原あずみさんは音楽活動を一時休止します。「無色」リリース後、約3年間もの間、新たな楽曲リリースはありませんでした。その理由については公表されていませんが、この期間が彼女にとって充電期間、そして次のステップへの準備期間だったのかもしれません。

興味深い点として、「無色」というタイトルは、後にリリースされる上原あずみさんの1枚目のオリジナルアルバムのタイトルにも使用されています。シングル曲としてだけでなく、アーティストとしてのキャリアにおいても重要な意味を持つ楽曲だったと言えるでしょう。

「無色」シングルには、表題曲「無色」の他に、ダンスミュージックアレンジの「無色（night clubbers mix）」、そしてミディアムテンポのバラード「Endless World」、そしてインストゥルメンタルバージョン「無色（Instrumental）」が収録されています。全作詞を上原あずみさんが担当し、作曲・編曲にはK's letters、徳永暁人、川島だりあ、小澤正澄といった実力派ミュージシャンが参加。それぞれの楽曲に異なる魅力が凝縮された、充実した内容となっています。

「無色」は、上原あずみさんの音楽キャリアにおける重要なマイルストーンとなったシングルです。メディアへの初出演、そして大きな人気獲得、そしてその後の活動休止という、数々の出来事が凝縮された、ドラマチックなストーリーを持つ作品と言えるでしょう。このシングルから、彼女のアーティストとしての成長と、その後の音楽活動への伏線が感じられます。4万枚以上の売上枚数は、その人気を数字として証明しています。 今もなお、多くのファンに愛され続けている名曲と言えるのではないでしょうか。

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