照海穴

照海（しょうかい）穴は、足の少陰腎経に位置する経穴の一つであり、特に婦人科系の症状に効果があるとされています。また、陰蹻脈の宗穴としても知られています。

位置

照海穴は、内くるぶしの真下から約1寸（約3cm）のところに位置します。正確な位置は、患者を楽な姿勢で座らせ、内くるぶしの最も低い点から指幅一本分下を探ることで特定できます。左右の足にそれぞれ存在します。

名前の由来

「照海」という名前は、「照らす」という光のイメージと、「海」という深い場所、つまり脈気が集まる場所を意味しています。腎は水と火の臓であり、その深奥には水中に火があるという概念から、この名が付けられました。また、澤田流では、この照海穴を太谿穴として扱っています。

効果・効能

照海穴は、月経不順、不眠、脚気などの症状に効果があるとされています。特に、婦人科系の疾患に対して用いられることが多く、生理不順や更年期障害などの症状緩和に役立ちます。精神的なリラックス効果や、不眠症の改善にも期待できます。

月経不順：ホルモンバランスの乱れを整え、生理周期を正常化する効果が期待できます。
不眠：精神的な緊張を和らげ、睡眠の質を向上させる効果があります。
脚気：ビタミンB1の不足によって起こる脚のむくみや痺れを緩和する効果があります。
婦人科疾患：生理痛、更年期障害など、女性特有の症状の緩和に用いられます。
* リラックス：心身の緊張を和らげ、精神的な安定をもたらします。

長野式鍼灸治療法における照海穴

長野式鍼灸治療法では、照海穴は免疫強化のための扁桃処置（手三里・天牗・大椎と併用）や、副腎機能強化のための副腎処置（兪府と併用）に用いられます。免疫力の向上や、ストレスへの抵抗力を高める効果が期待されています。

澤田流太極療法における照海穴

澤田流太極療法では、照海穴は太谿穴として扱われます。太谿穴は、腎経の原穴であり、腎の機能を高める重要な経穴とされています。全身のエネルギーバランスを整え、自然治癒力を高める効果が期待できます。

使用上の注意

照海穴は、比較的安全な経穴ですが、妊娠中の女性や、重度の疾患を抱えている方は、専門家にご相談の上、施術を受けてください。また、過度な刺激は避け、リラックスした状態で行うことが重要です。

照海穴は、その名の通り、心身を照らし、健康な状態へと導く力を持った経穴です。日々の健康管理に取り入れ、その効果を実感してみてください。

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