燭

燭（しょく）およびその歴史

燭（しょく）は、主にかつて光度を示すために使われていた単位です。この単位は、英語で「Candle Power」または「キャンドル」とも呼ばれ、その明るさは一般的に蝋燭1本分を基準に設定されています。特に、注意が必要なのは「単位燭光」という呼称があり、これは燭の広がりを示すもので、国によって解釈が異なる場合もあります。

燭の起源と発展

燭という単位が初めて正式に定義されたのは1860年、イギリスの都市ガス条例によるものでした。当時の定義は、「1時間あたり120グレーンで燃焼する6分の1ポンドの鯨油蝋燭の光度にほぼ相当する」という内容でした。この定義により、燭は特定の燃料と条件下での発光量を基準にしていたのです。

その後、ガス灯などの新しい光源が普及すると、燭はさらなる改訂を迫られました。1909年には、イギリス、アメリカ、フランスが協力し、各国で独自に運用されていた光度の単位を統一することに合意しました。この結果、国際燭、または国際燭光（International Candle）が制定されることになりました。

国際燭の定義

国際燭は、特定の条件下での光度を基準に設計されたため、具体的な定義も設けられました。これには、「圧力1気圧下で0.8%の水蒸気を含む空気中において、ハーコート氏の10燭ペンタン灯が発する光度の10分の1」という基準が用いられています。このことで、イギリス、アメリカ、フランス、日本の間で、光度の数値が等しくなることが期待されたのです。

日本における燭の使用

日本では、旧電気事業法の規則に基づいて、国際燭の定義がそのまま採用されています。「気圧780粍において、一立方米あたり8立の水蒸気を含む空気中で燃焼するハーコート氏10燭光ペンテーン燈の光力の10分の1」とされており、この定義に従って燭の単位が適用されていました。こうした規定により、日本でも光度の統一が図られていたのです。

ドイツの独燭光

ドイツでは、ヘフナー灯を用いて独特の光度単位である独燭光（ヘフナー燭）が設定されていました。この独燭は、標準大気圧下で特定の条件下において酢酸アミルが燃焼する際の光度として定義されていました。ここで「1ヘフナー燭は約0.9国際燭に相当する」という対比があるため、独燭光はドイツやロシアでも使用されることがありました。

カンデラへの変更

1948年、国際度量衡総会において、カンデラという新たな単位が承認され、これにより燭の概念も進化を遂げました。カンデラはより厳密な定義が与えられ、1燭は約1.0067カンデラとされました。日本でも1951年の計量法施行を経て、カンデラに置き換えられることとなりました。

結論

燭という単位は、光の測定方法とその発展を反映した一例であり、さまざまな国々での合意形成を経て国際的な規格への移行がなされました。歴史を通じて使用され続けた燭は、現在ではカンデラに置き換わっていますが、その影響は未だに光度の測定において重要な役割を果たしています。

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