片上駅

片上駅の概要

片上駅（かたかみえき）は、岡山県備前市西片上に位置し、かつて同和鉱業が運営した片上鉄道線の駅でした。この駅は、片上鉄道線の起点であり、主に鉱石輸送の目的で設計されました。駅は、広い構内に車庫や貨物ヤードを備えていて、旅客サービスよりも貨物輸送に重きを置いていました。旅客ホームは1本のみで、輸送効率が求められていた時代の名残を感じさせます。

歴史

片上駅は1923年（大正12年）の1月1日に開業しました。当初は岡山県和気郡片上町西片上という名称であり、地域の発展とともに行政区画が変更され、1951年には備前町（第1次）、1955年には備前町（第2次）、1971年には備前市（第1次）にそれぞれ変更されました。

この駅は、長年にわたり利用されていましたが、1991年（平成3年）には、鉄道路線の廃止に伴い、廃駅となる運命を迎えました。駅構造は片面1線のホームを有し、車両の整備や貨物の積み下ろしを行なうための設備が整っていました。

利用状況

過去の利用客数は、近隣のJR山陽本線の和気駅に次いでいましたが、利用者数は和気駅の約半数程度でした。1977年から1979年の時期には、片上駅の1日平均利用客数は324人と記録されており、和気駅の1174人と比較しても大きく下回っていました。

駅周辺の特徴

駅周辺には、備前郵便局や片上湾、流川などが存在し、地域の生活の拠点となっていました。しかし、片上駅が廃駅となった後、そのほとんどの施設は撤去され、現在はマックスバリュやエディオンの店舗が建っています。往時の雰囲気は薄れてしまいましたが、駅前のロータリーや鉱石の貯蔵施設の跡地に残る0キロポストは、かつての姿をしのばせます。

特に、駅の裏手には橋脚跡があり、そこからかつての線路跡を確認することができます。現在は備前市営バスのバス停に名称が残り、片鉄片上駅として地域住民に利用されています。また、宇野バスのバス停も近くにあり、岡山駅からの路線が運行されていた名残も見られます。

交通アクセス

アクセス方法としては、JR赤穂線の西片上駅から徒歩約5分の距離であり、駅入口前の階段を下りて線路をくぐり、流川沿いに南下することで、跡地のロータリーへ到達できます。

隣接駅

片上駅の隣には、同和鉱業が運営する清水駅が位置していました。このように、片上駅は地域の交通における重要な役割を果たしていたが、その歴史は現在では消え去りつつあります。

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