牧本幹男

牧本幹男について

牧本幹男（まきもと みきお、1941年7月3日生まれ）は、日本の政治家であり、広島県福山市で活躍した第10代市長です。彼はこの役職を2期にわたり務めましたが、その経歴は波乱に満ちています。

人物背景

福山市で生まれた牧本は、著名な学者の父を持ち、教育を受けました。広島大学附属福山高等学校を卒業後、同志社大学商学部に進学し、1964年に卒業しました。その後、琴の生産で知られる牧本楽器株式会社に入社し、1974年には専務に就任。その後の1983年には福山市長選挙に立候補し、初当選を果たしました。彼は日本鋼管福山製鉄所の支援を受けて、現職市長や元市長、共産党新人候補との競争を勝ち抜き、この地域の政治の舵を握りました。

市長としての活動

市長に就任した牧本は、「ガラス張りの市政をつくる」というスローガンのもと、市民に開かれた政治を目指しました。しかし、彼が直面する最初の課題は厳しい財政状況であり、1984年度の予算編成に困難を感じました。補助金の削減や市職員の退職金カットを進め、財政立て直しに努めましたが、市政の透明性を求める声は裏腹に、不祥事が次々と報じられる結果となりました。彼の就任後約2年半の間に、逮捕者が延べ8人に及び、市庁舎は7回も捜索を受け、41人が懲戒などの処分を受ける事態が発生したのです。

不祥事の連鎖

1987年には、福山市のヤミ給与疑惑に関する調査が行われ、その結果が広島県から発表されました。牧本はその年の市長選で、元市長の子供を破る形で再選を果たすものの、彼の政権は不祥事の影に覆われていました。1989年には市の汚土収集業務にかかわる疑惑が浮上し、市議会は百条委員会の設置を決定しました。この事件では、牧本が業者の脅しに屈して違法に業務を継続する形となり、福山市は多額の損害を被る結果となりました。

裁判とその後

福山市および関係者は、業者に対して2億円の損害賠償の支払いを命じられ、2006年には汚泥不正事件で敗訴が確定。その翌年、牧本は自己破産を申請しました。「支払う資産はほとんどない」と述べた彼は、当時の助役やその相続人からは1億円以上の賠償金を回収しています。

結論

牧本幹男の市長としての活動は、市政の透明性を求める努力とともに、彼自身が直面した数々の不祥事で彩られています。その経歴は、政治と市民生活の複雑な関係を物語っています。福山市において、彼の政策や行動は今もなお議論の的となっており、その後の政治家や市民にとっての教訓とされています。

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