特別区競馬組合

特別区競馬組合：東京シティ競馬を支える23区の連携

東京都23区によって構成される特別区競馬組合は、大井競馬場で行われる東京シティ競馬（TCK）の主催者です。競馬法に基づき設立された一部事務組合であり、約100名の職員が運営を支えています。組合のトップである管理者は、23区の区長が持ち回りで務めるという特徴があります。財務面においては、地方公営企業法の規定が適用されています。

大井競馬場が品川区に所在する一方、他の22区は競馬法の附則に基づき、当分の間、競馬場のある市町村とみなされることで、競馬の主催に参加できる仕組みとなっています。これは、競馬法が都道府県や競馬場のある市町村に競馬主催権を認めているため、特別区の参加を可能にするための例外規定と言えるでしょう。

厳しい経営環境と外国馬導入問題

近年、地方競馬を取り巻く環境は厳しさを増しており、特別区競馬組合も例外ではありません。長年にわたり、売り上げと入場者数の減少傾向が続いています。この状況を打開するために、組合は魅力的なレースを提供することが不可欠だと認識しています。その一環として、より競争力の高い馬を育成・確保する方策が模索されています。

1999年に発表された「第3次特別区公営競技振興対策協議会答申」では、海外で実績のある競走馬を導入することが提案されました。この答申を踏まえ、2007年から2年間の試験導入が検討されました。これは、よりエキサイティングなレースを展開し、観客の増加につなげることを目指した試みでした。

しかし、この外国馬導入計画は、国内の競走馬生産者から強い反発を受けました。安易な外国馬導入が、国内の競走馬生産に大きな打撃を与えると懸念されたためです。特に、Japan Broadcasting Corporation（JBC）実行委員会は、外国馬導入への反対を表明し、2007年の大井競馬場開催への支援を一時的に中止するという事態に発展しました。

その後、関係者間の協議が行われ、JBC特別委員会において、当初の予定通りJBCを開催することが決定されました。この決定により、外国馬導入問題がJBC開催そのものに影響を与える事態は回避されましたが、この出来事は、地方競馬の運営における様々な利害関係者の調整の難しさを改めて示すものとなりました。

特別区競馬組合の今後の課題

特別区競馬組合は、今後も入場者数減少や売り上げ低迷といった課題に直面する可能性があります。魅力的なレースを提供することに加え、新たなファン層の獲得、競馬場の利便性向上、多様なイベントの開催など、多角的な戦略を展開していく必要があるでしょう。

また、外国馬導入問題で明らかになったように、国内の競走馬生産者との良好な関係を維持することも、組合の持続的な発展にとって重要です。関係各者との継続的な対話と調整を通して、地方競馬全体の活性化に貢献していくことが期待されます。

関連団体

特別区競馬組合以外にも、東京都23区では様々な一部事務組合が活動しています。例えば、特別区人事・厚生事務組合や東京二十三区清掃一部事務組合などが挙げられます。これらの組合は、それぞれの専門分野において、区の行政を支える重要な役割を担っています。

地方競馬を取り巻く厳しい状況の中、特別区競馬組合は、東京シティ競馬の更なる発展に向けて、関係各者と協力し、努力を続けることが求められています。

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