特許協力条約の用語集

特許協力条約に関する用語集

特許協力条約（Patent Cooperation Treaty、PCT）は、多国籍での発明の保護を求めるための国際的な制度です。本用語集は、特許協力条約に関連する用語やその意味を整理し、わかりやすく解説しています。法律的な文書や手続きが多く含まれるため、理解を深めるためにぜひ参考にしてください。

1. 国際出願とその関連用語

国際出願

国際出願は、特許協力条約に基づいて行われるもので、発明を保護するために必要な書類を提出します。この国際出願には願書、明細書、請求の範囲、必要な図面などが含まれます。

願書

願書とは、国際出願を行うにあたって必須となる文書で、発明の名称や出願人情報、保護を求める国を明記します。

請求の範囲

これは出願人が特許を求める具体的な内容を示す文書であり、特許の保護を求める範囲を明示します。

2. 特許手続きに関する用語

国際調査報告（ISR）

国際調査機関が行う国際調査の結果に基づいて作成された文書で、出願に関連する先行技術が列挙されます。

国際予備審査報告（IPER）

国際予備審査機関が行う予備的な審査の結果を示す文書で、新規性や進歩性に関する意見が記載されます。

明白な誤りの訂正

国際出願における明確な誤りを訂正するための手続きです。著者は、訂正を希望する書類を所定の機関に提出します。

3. 料金と異議手続き

追加手数料

発明の単一性が認められない場合、調査や審査を継続するために支払う必要がある手数料です。この支払いを受けた出願人は、異議の申立てを行うことができます。

異議の申立て

追加手数料が不適切であるとする理由を付して提出できる申立てです。出願が部分的に認められれば、支払いが一部返還されることもあります。

4. 国際機関とその役割

国際事務局（IB）

特許協力条約の管理運営業務を行う機関で、国際出願の受理や公表を行い、出願人に対して重要な情報を提供します。

世界知的所有権機関（WIPO）

知的財産権の保護を促進するために設立された国際機関で、特許協力条約の枠組みを提供しています。

5. 特許性に関する報告

特許性に関する国際予備報告（IPRP）

出願された発明が特許要件を満たすかを判断するための文書で、国際調査機関の見解が含まれます。

特許性に関する国際予備報告（I・II章）

異なる段階で作成される報告書で、発明の新規性や進歩性、単一性に基づく情報が含まれています。

まとめ

本用語集は、特許協力条約に関する用語を網羅的に解説することを目的としており、出願プロセスや関連機関の役割を理解するための助けとなることでしょう。特許制度の複雑さを少しでも和らげることができれば幸いです。特許に関するさらなる情報は、WIPOの公式サイトなどを参考にすると良いでしょう。

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