特許手続上の微生物の寄託の国際承認に関するブダペスト条約

ブダペスト条約の概要

ブダペスト条約は、微生物の国際的な寄託に関する特許手続上の重要な条約であり、1977年4月28日にハンガリーのブダペストで作成され、1980年8月19日に発効しました。正式名称は「特許手続上の微生物の寄託の国際承認に関するブダペスト条約」で、通称「ブダペスト条約」と呼ばれています。この条約は、特許の取得において、微生物を複数の国に寄託する必要を軽減するために、国際的な枠組みとして設立されました。

目的と重要性

ブダペスト条約の主な目的は、特許申請者が発明に必要な微生物を、各締約国においてスムーズに寄託できるようにすることです。通常、特許申請にはその発明が実施可能であることを証明するための微生物の寄託が求められますが、本条約に基づく寄託を行うことで、一つの国際寄託当局に寄託するだけで、複数の国での特許手続きが簡素化されます。これにより、発明者や企業の負担が大幅に軽減され、国際的な特許戦略を構築しやすくなります。

締約国と地域特許庁

この条約には、2009年1月時点で72か国が締約国として参加しており、他にも欧州特許庁（EPO）、ユーラシア特許庁（EAPO）、アフリカ地域工業所有権機構（ARIPO）の3つの地域特許庁も条約の規定を受け入れています。これにより、特許手続の円滑化が図られています。日本は1980年5月19日にこの条約に加入し、その3か月後の同年8月19日には効力を発生しました。

日本における国際寄託当局

日本でのブダペスト条約の実施にあたり、二つの機関が国際寄託当局として機能しています。ひとつは「独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター」であり、もうひとつは「独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター」です。これらの機関は、国内での微生物寄託手続きを行う際に、重要な役割を果たしています。

関連情報とリンク

ブダペスト条約に関連する情報としては、他の知的財産権に関する条約や、微生物株の保存機関があります。関連文書は特許庁の公式ウェブサイトからアクセスすることができ、日本語訳も提供されています。国際的な枠組みでの特許取得はますます重要性を増しており、ブダペスト条約はその実現に貢献しています。

特許取得を目指す研究者や企業にとって、この条約を理解し、活用することは、国際的な競争力を高めるための重要なステップとなります。

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