特許電子図書館

特許電子図書館（IPDL）について

特許電子図書館（IPDL）は、日本の特許庁が運営していた、特許や商標などの産業財産権に関連する情報を無料で提供するデータベースでした。これにより、ユーザーは特許関連の情報にアクセスしやすくなり、2004年からは独立行政法人の工業所有権情報・研修館によって管理されていました。

概要

特許電子図書館には、特許庁が保有している5,500万件以上の情報が収められており、特許や実用新案、意匠、商標などに関する公報、審査状況、権利の状態、審判の決定に関する情報を検索することができました。サービスは1999年3月31日に開始され、利用者は日本国内に限らず海外からのアクセスも見受けられました。PDF表示を行う際には認証が求められる仕組みになっていました。

世界各国でも同様の特許情報データベースが提供されており、特許電子図書館はその一つであると同時に、各国の特許庁が運営する産業財産権情報データベースの一般名としても使われています。例えば、欧州特許庁が提供するEspacenetなどがその例です。

サービスの終了とJ-PlatPatへの移行

IPDLのサービスは2015年3月20日に終了し、その4日後の3月23日から新たに特許情報プラットフォーム（J-PlatPat）が始まります。 J-PlatPatは、より使いやすいインターフェースや機能を備えたプラットフォームとして設計されています。

沿革

特許電子図書館の歴史は1986年にまで遡り、初めは特許庁が万国工業所有権資料館を通じて情報を提供し始めました。1996年には特許庁のウェブサイトが開設され、1997年からは公開特許公報の英文抄録がインターネット上で試験的に提供されました。その後1998年に検索サービスが開始され、1999年には正式に特許電子図書館がサービスを立ち上げました。2004年には工業所有権情報・研修館による運営に移り、以降も機能の拡充が図られました。

具体的には、2001年にはURLが変更されたり、PDF表示機能の追加がなされたりしました。2008年には公報全文のテキスト検索が可能となり、利用者の利便性が向上しました。

しかし、最終的に2015年にサービスが終了し、その後を受けて新たなプラットフォームが展開されました。

まとめ

特許電子図書館（IPDL）は、日本国内および海外の利用者に特許情報を提供し続けてきましたが、その永きにわたるサービスは2015年に終了しました。現在は特許情報プラットフォーム（J-PlatPat）がその機能を継承し、より便利な特許情報検索サービスを提供しています。IPDLは日本の特許情報のアクセスに大いに貢献した歴史的なデータベースとして、多くの人々に記憶され続けるでしょう。

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