犬神了

犬神 了（いぬがみ りょう）

犬神了は、漫画『ドカベン』に登場する架空のキャラクターで、特に個性的な選手として知られています。彼は、土佐丸高校で犬飼小次郎からエースの地位を引き継いだ左腕の投手で、そのスタイルは「殺人野球」と称されるほど過激です。アニメでは八代駿が声を担当し、ゲーム『激闘プロ野球 水島新司オールスターズVSプロ野球』では中井和哉が声優を務めています。

人物像

犬神は左投左打の小柄な体格を持ち、右目には眼帯を付けています。彼の奇妙な笑い声「キヒヒヒ」は、彼の不気味な雰囲気を際立たせています。性格は勝利至上主義で、常に勝つための手段を選びません。長袖を活かした投法や背面投法など、トリッキーな投球が得意であり、プロ入り後もそのプレースタイルを貫いています。

特に広島に入団後は、ビーンボールを多用したプレースタイルで知られ、悪名を轟かせる存在となりました。彼は、プロ2年目にあたる1996年には20の死球を与えつつ、10勝をあげています。

また、犬神の野球センスはかなり高く、村田兆治に匹敵するフォークボールの落差やアクロバティックな走塁を披露することもあります。打者としても高い実力を持ち、土佐丸時代には4番バッターとして活躍しました。特にアイアンドックスへの移籍後も、投手登録であってもセンターのレギュラーを務めるなど、マルチな選手としての腕前を見せています。

座右の銘と方言

最初は「〜だっちゃ」という言葉遣いでしたが、広島への移籍後は広島弁の「〜じゃ」や「〜けん」などを使うようになりました。これにより彼のキャラクターはますますユニークです。

登場の背景

猫も杓子も登場するパ・リーグ所属選手に対し、犬神は珍しくセ・リーグ所属選手として描かれました。この背景には日本野球機構との肖像権問題が影響しており、その結果、福岡ダイエーホークスと広島東洋カープ以外のチームは描写が減少しました。

経歴

高校時代、犬神は2年生の春の甲子園で「山田殺し」として知られるようになり、明訓戦において山田太郎をノーヒットに抑え込むなど、その実力を証明しました。特に山田との対戦は彼にとっての重要なエピソードで、試合中の「死神ボール」などの過激なプレーで知られ、観客に強い印象を与えました。

また、高校3年時には、無気力試合から突如として殺人野球に転換するという戦法を取るなど、彼のプレースタイルは常に議論の的でした。

高校卒業後、犬神は広島東洋カープに入団し、プロ入りから注目を浴び続けました。特に、オールスターでのプレーはファンの記憶に深く刻まれています。しかし、2000年には公式に野手に転向し、それでもたまに投手としてマウンドに上がるという多才なキャリアを築いていきました。

その後、2004年には四国アイアンドッグスに移籍し、引き続き活躍を続けています。背番号は01から19に変更され、彼のキャリアを物語る存在となっています。多面性と独特なキャラクターが、このキャラクターが愛される理由の一つです。

犬神了は、その個性豊かなプレースタイルと、高校時代からプロにかけての多様な経歴で、漫画『ドカベン』の中で欠かせない存在となっています。

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