狙撃手章

狙撃手章 (Scharfschützenabzeichen)

狙撃手章は、ナチス・ドイツにおいて1944年に導入された勲章で、特に狙撃手としての卓越した技量を評価するために設けられました。アドルフ・ヒトラーによって制定され、その授与は当初、陸軍および武装親衛隊の兵士に限られていましたが、後に国防軍最高司令部の指示により1944年12月14日には海軍や空軍の兵士にも広がりました。

等級制度

狙撃手章には3つの等級が存在し、それぞれ異なる条件が設定されていました。以下が各等級の概要です。

• - 3等 (装飾無し): 20人以上の狙撃を達成した者
• - 2等 (銀装飾): 40人以上の狙撃を達成した者
• - 1等 (金装飾): 60人以上の狙撃を達成した者

狙撃手としての実績は1944年9月1日から記録が始まり、その数の認定には目撃者の証言が必要とされました。狙撃手章は主に服の右袖に佩用され、その存在は狙撃手の誇りを示すものでした。

捕虜に関する規定

1945年、人員が敵に捕らえられる危険があった際、国防軍最高司令部は部隊に対して必ず狙撃手章を取り外すように指示しました。特にソ連の捕虜となった場合、狙撃手章をつけていた者はその場で射殺されることがあったため、厳重な措置が求められました。このような背景から、狙撃手章は単なる勲章以上の意味を持つこととなりました。

受章者

狙撃手章を受けた著名な兵士として、以下の人物が挙げられます。

• - ヨーゼフ・アラーベルガー (1等)
• - マティアス・ヘッツェナウアー (1等)
• - ブルーノ・ストクス (1等)

これらの受章者は、戦場においた際に他の兵士たちよりも特別な評価を受け、その技術と勇気が称賛されました。この勲章は、第二次世界大戦におけるドイツの戦術や兵士の士気を象徴するものとして、今なお歴史的な価値を持っています。

参考文献

1. Jörg Nimmergut: Deutsche Orden und Ehrenzeichen bis 1945. Band 4. Württemberg II-Deutsches Reich. Zentralstelle für wissenschaftliche Ordenskunde, München 2001, ISBN 3-00-001396-2.
2. Brian L. Davis: Uniformen und Abzeichen des deutschen Heeres 1933–1945. Motorbuchverlag.
3. Christian Zentner: Soldaten im Einsatz. Jahr Verlag.

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