狩野久

狩野 久について

狩野 久（かのう ひさし、1933年8月5日生まれ）は、日本の著名な歴史学者であり、特に日本古代史や木簡の研究で知られています。彼は北海道斜里町の出身で、1956年に京都大学文学部を卒業後、1963年に同大学大学院で国史学を専攻しましたが、博士課程を修了する前に退学しています。

職歴の軌跡

狩野は1963年に奈良国立文化財研究所に入所し、歴史と文化財の保護に関する業務に従事しました。彼はその後、平城宮跡発掘調査部長と飛鳥藤原京跡発掘調査部長を歴任し、重要な発掘作業に関与しました。1986年には文化庁記念物課主任調査官に就任し、歴史的な遺産の研究と保護に貢献しました。

1991年からは岡山大学文学部の史学科で教授として教鞭を取り、1995年には歴史文化学科の教授に就任します。1999年3月までその職に就いていました。さらに、京都橘女子大学文学部でも教授として活躍しました。

学外における貢献

狩野は1991年から木簡学会の会長を務めており、木簡という古代の書記材に関する研究の発展に寄与しています。彼のリーダーシップにより、木簡学はさらに広く認識されるようになり、多くの学者がこの分野に注目することとなりました。

研究と著作

狩野の研究分野は多岐にわたりますが、特に彼の専門である日本古代史、木簡学、古代都城史に焦点を当てています。彼は、古代の国と都市の関係を掘り下げることで、日本の歴史に対する理解を深めることを目指しています。

著書としては、『日本古代の都城と国家』（編著、塙書房、1984年）や『日本古代の国家と都城』（東京大学出版会、1990年）、さらには『古代を考える　古代寺院』（編著、吉川弘文館、1999年）などがあり、これらの作品は日本古代史の研究において重要な位置を占めています。

これらの著作を通じて、狩野は古代日本の国家形成や文化の発展を探求し、その知見を多くの人々と共有しています。日本の古代史に関する理解を深める上で、彼の業績は欠かせないものとなっています。

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