独眼竜政宗 (NHK大河ドラマ)

独眼竜政宗

『独眼竜政宗』は、1987年の1月から12月にかけて放送されたNHKの大河ドラマで、その第25作目にあたります。主演は渡辺謙が務め、原作には山岡荘八の小説『伊達政宗』が使われています。この作品は、奥州の戦国武将であり、仙台藩の礎を築いた伊達政宗の波乱に満ちた人生を描いています。

制作背景

このドラマは、1980年代 mid の「近代路線シリーズ」に代わり、歴史的な題材を扱う時代劇の形式で復活しました。NHKは視聴者の需要が高いと感じ、過去17年間時代劇が描かれなかったことから、新たな切り口でこのプロジェクトが企画されました。特に、東北地方の武将を主題としたドラマは希少で、伊達政宗に白羽の矢が立ちました。

企画と脚本

企画の担当者である中村克史は、独自の視点を持ち込むことを試みました。彼は地方の武将がメインのドラマを描くことを考え、伊達政宗を選んだのです。脚本は『澪つくし』のジェームス三木が担当し、政宗の青年時代を考慮しながらも生涯を広くカバーするため、多くの資料に基づいて製作されました。

オープニングと演出

オープニングでは史実の解説が行われ、視聴者をドラマの世界に引き込む工夫が凝らされました。具体的には、レーザー光線を背景にしたインパクトある演出で、主演の渡辺謙が演じる政宗が登場します。この演出により、視聴者には新たな時代劇のイメージが強く印象づけられることとなりました。

キャスティング

主演には当初、西城秀樹を考えていましたが、最終的には渡辺謙に決まりました。彼は過去のドラマでの実績があるものの、当時の知名度はそこまで高くありませんでした。しかし、ドラマ部長である斎藤暁の推薦により、渡辺が主役に選ばれました。その他のキャスティングにおいても、伝統に囚われずユニークな組み合わせが多く試みられました。特に、秀吉役の勝新太郎の起用は、過去のトラブルを考えると冒険的でしたが、渡辺との対立関係を表現するために必要だとされました。

受容と影響

本作は、視聴率においても成功を収めました。平均視聴率は39.7%、最高視聴率は47.8%に達し、多くの視聴者に支持されました。特に「梵天丸もかくありたい」というセリフは大ヒットし、流行語となりました。2021年には読者投票で渡辺謙の演じる政宗が最高の大河ドラマ主演俳優として選ばれ、ドラマの人気は今でも衰えません。

このように『独眼竜政宗』は、当時の大河ドラマの枠を超え、後の制作にも影響を与える重要な作品となりました。視聴者の心に残る名作として、今日まで語り継がれています。

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