猪熊家 (卜部氏)

猪熊家について

猪熊家（いのくまけ）は、香川県東かがわ市にある白鳥神社の神職を代々受け継いでいる日本の社家です。この家系は神祇道と有職故実を家業としており、通字には「兼」と「慶」が使われています。元々は平野神社の預かりも行っていた家系ですが、中世以降、平野神社が荒廃した際には西洞院時慶がその復興に尽力し、預職を奪われました。その後、猪熊兼古が高松松平家の招聘を受けて白鳥神社を再興し、その初代宮司となりました。

猪熊兼古の後は、彼の孫である猪熊兼慶がその役割を引き継ぎ、明治時代に入ると一族は士族身分を取得しました。維新後も猪熊家は白鳥神社の神職を引き続き担っており、家の次代を担う猪熊夏樹は一時的に家業を分家に任せ国学に専念しました。しかし、明治40年（1907年）には白鳥神社の社司に就任し、その後は猪熊夏樹の家系が神職を世代を超えて続けることになります。

夏樹には子供がいて、その中でも浅麿は父の死後、大正元年（1912年）に社司に任じられました。猪熊家の歴史の中では、夏樹の妹である久子も重要な存在です。彼女は北小路随光の妻となり、養子に柳原前光の庶子である燁子（後の柳原白蓮）を迎え入れました。戦後の昭和26年（1951年）12月4日、柳原白蓮は白鳥神社を訪れ、養母の実家を訪問した際にしたためた書が現在も神社に保管されています。この出来事は、2014年に放送された連続テレビ小説『花子とアン』で仲間由紀恵が演じたキャラクター葉山蓮子のモデルとなったことで、再び注目を集めました。

猪熊家の系譜

猪熊家の系譜には、その歴史的背景や役割を担った人物たちが数多く含まれています。特に、神司としての伝統を守り続けた家系の名前は、多くの地域で知られるようになっています。家業を中心に据えた生活様式や職責の中で、猪熊家は地域文化の発展にも寄与してきました。

脚注

猪熊家に関する詳細な情報は、猪熊兼年による『白鳥神社誌』や須原祥二による研究に記されています。これらの文献では、白鳥神社の歴史や猪熊家の影響力について詳しく解説されており、興味深い事実が多数収められています。特に、神職に関する役員名簿や歴史的な記録は、猪熊家が持つ文化的な意義を理解するための貴重な資料です。

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