猪狩元秀

猪狩元秀の生涯と功績

猪狩元秀（いがり げんしゅう）は、1950年5月19日生まれで、日本拳法協会の理事長および主席師範を務めています。彼は日本拳法の九段取得者であり、キックボクシングにおいても華やかな経歴を持つ選手です。

学歴と初期のキャリア

猪狩は日本大学文理学部社会学科を卒業し、在学中に日本拳法部で活躍しました。その後、彼はプロキックボクシングに転向し、1973年には弘栄ジムにてデビューを果たしました。猪狩は重いストレートパンチを武器にし、これを「マッハパンチ」と称されるようになりました。そのパンチを用いて、ムエタイの現役王者であるサタンファー・ソープラティープをリングで倒し、その名声を高めました。

キックボクシングでの輝かしい戦績

彼は国内タイトルを二階級で獲得し、特に1979年にはWKAミドル級王座を獲得しました。この栄冠を手に入れるため、東京都体育館で行われた決定戦では、スチーブ・アンダーソンを相手に2ラウンドでKO勝利を収めています。その後、同王座の初防衛戦でもレイ・マッカラムとの試合で精彩を放ち、5ラウンドで壮絶なKO勝利を果たしました。

猪狩はその後も数々の試合で勝利を重ね、1982年にはそのまま引退を決意しましたが、彼の影響は後の世代にも色濃く残りました。特にムエタイ現役王者に対しての勝利は、彼のキャリアに際立ったポイントを与えました。

引退後の活動

引退後、猪狩は1993年からK-1のチーフレフェリーを務めるなど、キックボクシング界での影響力を保持し続けました。さらに、2007年にはNPO法人日本拳法協会の理事長に就任し、日本拳法の普及に尽力しています。彼の活動は、多岐にわたり、2011年には自ら経営するパブも展開していました。

日本拳法協会とその分裂

猪狩が理事長を務める日本拳法協会は、澤山聖海によって考案された日本拳法の発展を担ってきました。しかし、協会は時が経つにつれて分裂し、猪狩率いるNPO法人と、森良之祐に従うグループの2つに分かれました。両者ともに同じ名称で活動し、現在も日本拳法の普及を試みています。

戦績とテレビ出演

猪狩のプロキックボクシング戦績は75試合中64勝（うち57KO）、9敗、2分という輝かしいものであり、彼が多大なる才能を持つ選手であったことを物語っています。また、彼はテレビ番組「宇宙一せまい授業!」への出演や、映画『蘇える金狼』において役者としても活躍しました。

総括

猪狩元秀は、ただの格闘家ではなく、様々な分野で活躍することで日本拳法やキックボクシングの歴史に名前を刻んだレジェンドです。彼の功績は、今も多くの人々に語り継がれています。

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