猪野俊平

猪野俊平（1907年 - 1981年）は、日本の植物形態学者であり、特に海藻の研究において重要な貢献をしました。愛媛県に生まれ、松山中学校、松山高等学校を経て東京帝国大学理学部生物学科を卒業しました。

猪野は、1946年に「ネジモクの胚発生について」の研究で東北帝国大学から理学博士号を取得しました。その後、北海道帝国大学理学部講師、岡山大学助教授、教授を歴任し、1970年に定年退官、岡山大学名誉教授となりました。

彼の研究は、植物の形態、特に海藻の発生に関するものが多く、その成果は多くの著書や論文として発表されています。猪野の業績は、日本の植物学、特に海藻研究の基礎を築いたものとして高く評価されています。

主な著書

『植物学綜説 第8巻 植物の組織』内田老鶴圃、1943
『海藻の発生』北隆館 日本生物学業績、1947
『海藻と実験』力書房 生物学文庫、1948
『植物の表皮』力書房 生物学文庫、1948
『植物の発生』河出書房、1950
『植物組織学』内田老鶴圃、1954

共著

『基礎植物学』小野知夫、佐藤重平共著 裳華房、1949
『最新生物学概論』永野為武共著 三共出版、1961
『生物科学概論』永野為武共著 三共出版、1973

猪野俊平は、研究者としてだけでなく、教育者としても多くの学生を育てました。彼の講義は明快でわかりやすく、学生からの信頼も厚かったと伝えられています。また、その人柄は温厚で誠実であり、多くの同僚や学生から尊敬を集めました。

猪野俊平の没後も、彼の研究業績は植物学の分野において重要な位置を占めています。彼の著書は、現在でも植物学の研究者や学生にとって貴重な資料となっており、彼の研究に対する情熱と貢献は、後世に語り継がれています。

参考文献
『生物化学概論』永野為武の序文
* 『人物物故大年表』

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