猫城

猫城（ねこじょう）：福岡県中間市の歴史的名城

猫城は、福岡県中間市に築かれた日本の城で、室町時代に麻生氏によって建設されました。この城は、地元の風景や歴史に深く根ざした名所です。特に、その不思議な名前の由来が興味深く、敵が攻め入る際には山が高くなり、攻め下りるときには山が低くなる様子が猫の姿に見えることから「猫城」と呼ばれるようになったと伝えられています。

この城は、戦国時代に宗像氏の領地となります。宗像氏貞は、約150名の雑兵を配して、家臣の吉田倫行を城に配置しました。1580年には、大友宗麟の家臣である立花道雪の命を受けて毛利鎮実が城を攻めましたが、宗像勢は激闘の末、敵を打ち破った歴史があります。この戦いは、地域の人々の記憶に深く刻まれています。

しかし、宗像氏が断絶した後、猫城は徐々にその役割を終え、廃城となりました。江戸時代には福岡藩の所領となり、2代目藩主の黒田忠之が城跡に月瀬八幡宮を建立しました。この神社は、地域の人々にとって大切な信仰の場となっています。

城跡は、宗像市の市花であるカノコユリの名所でもあります。毎年夏には、カノコユリが一斉に咲き誇り、美しい風景を作り出します。訪れる人々は、城跡の穏やかな自然の中で、かつての城の重要性や歴史を感じ取ることができるでしょう。また、猫城の近くには著名な俳優・高倉健の先祖である小田宅子の生家跡もあり、観光スポットとしての魅力を増しています。高倉健氏は、地元の歴史や文化への感謝の意を込めて、「猫城跡」の石碑を月瀬八幡宮に奉納しました。

猫城を訪れる際のアクセス方法は、JR福北ゆたか線の筑前垣生駅から徒歩約25分です。周辺は自然に囲まれ、城跡を訪れた際には周辺の風景も楽しむことができます。歴史的な名城を訪れ、豊かな自然との共存を感じることができる猫城は、日本の歴史に触れる素晴らしいスポットです。

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