獣手

映画『獣手』

2024年1月27日に公開されたR15+指定の日本映画『獣手』は、福谷孝宏がプロデューサー兼主演を務め、夏目大一朗が監督を務めた異色の作品です。本作は、自主制作された中編映画を基に、クラウドファンディングで資金を調達し、後半部分を追撮して劇場公開用の長編に仕上げるという、ユニークな制作経緯を持っています。

制作の背景

映画の製作は、プロデューサーの福谷孝宏が監督の夏目大一朗に依頼したことから始まりました。自主制作時には初対面だった福谷と和田光沙は、前編完成後に結婚。後編の撮影は夫婦として挑むなど、私生活と作品内の時間経過がリンクしている点も注目されています。当初は『手』というタイトルでプロジェクトが進行していましたが、撮影後に日活ロマンポルノ50周年作品のひとつが同じタイトルで発表されたため、『獣手』に変更されました。

あらすじ

物語は、時代に取り残されたような襤褸家で貧しい生活を送る小暮修のもとに、服役していたはずの兄貴分である乾が現れることから始まります。乾に逆らうことのできない修は、かつて乾と関係のあった女、小雪の居場所を教えてしまいます。暴力を纏う過去に飲み込まれる中で、修と小雪は次第に心を通わせていきますが、乾が計画した強盗の最中に修は左手を失ってしまいます。闇医者の治療と小雪の看病により一命をとりとめますが、修の手は異形と化し、心までもが獣になっていきます。繋いだ手を離さぬために、紡いだ未来を守るために、修は立ち上がります。

キャスト

小暮修：福谷孝宏
五十嵐小雪：和田光沙
乾明：川瀬陽太
黒田隆一：松浦祐也
須藤章：上西雄大
片島：内藤正記
小山田：飯田浩次郎
所長：諏訪太朗
別所曹徳：夏目大一朗

スタッフ

監督：夏目大一朗
脚本：春日康徳、夏目大一朗
音楽：高橋剛、Open the case
録音・音響効果：丹雄二
撮影：石井千秋
照明：寺本慎太朗
アクション監督：AKILA aka HOUDIN（Arkmist）

受賞歴

シッチェス・カタロニア国際映画祭2024 ミッドナイト・エクストリーム部門
第3回宮古島チャリティー国際映画祭 ストーリー長編部門最優秀主演女優賞（和田光沙）


『獣手』は、暴力と愛、喪失と再生を描いた、見る者の心を揺さぶる作品です。ぜひ劇場でご覧ください。

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