玉井日出夫

玉井日出夫：文教行政と文化の担い手

玉井日出夫（たまい ひでお、1948年9月5日 - ）は、日本の文部官僚であり、文部科学審議官（文教担当）や文化庁長官を歴任した人物です。退官後は、愛媛県美術館名誉館長や玉川大学客員教授を務め、教育・文化の振興に尽力しました。

生い立ちと学歴

愛媛県松山市出身の玉井氏は、広島国泰寺高等学校を経て東京大学に進学。法学部で公法コースと私法コースの学士号を取得しました。1974年に旧文部省に入省し、官僚としてのキャリアをスタートさせます。

文部官僚としての活躍

文部省（後の文部科学省）では、初等中等教育局中学校教育課を皮切りに、総括審議官、大臣官房長といった要職を歴任。2007年からは文部科学審議官（文教担当）として、文教政策の推進に貢献しました。2009年7月には第19代文化庁長官に就任し、日本の文化行政を統括しました。

2010年に文化庁長官を退官後は、2011年に学校法人北海学園特任教授、2012年からは玉川大学芸術学部客員教授として、後進の育成に携わっています。

天下り問題とその後

一般財団法人教職員生涯福祉財団副理事長を務めていた玉井氏ですが、2017年初頭に発覚した文部科学省の天下り問題を受けて辞任しました。この問題に関連して、文書厳重注意相当の処分を受けています。

俳人としての顔

玉井氏は、昭和40年代に「十時海彦（ととき うみひこ）」の筆名で、東大俳句会や俳句結社「沖」に参加し、新進俳人として注目を集めました。現在も俳句結社「天為」に所属し、俳人としての活動を続けています。文教行政に携わる傍ら、豊かな感性を生かして俳句の世界でも才能を発揮していました。

処分歴

文部科学省官房長在職中の2006年12月15日には、タウンミーティング 小泉内閣の国民対話での不祥事に関して、口頭厳重注意の処分を受けています。

玉井日出夫は、文部官僚として日本の教育・文化行政に大きく貢献する一方で、俳人としても才能を発揮した人物です。その経歴は、日本の教育・文化行政の変遷を映し出すとともに、多才な人物像を伝えています。

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