玉姫様

アルバム『玉姫様』の詳細

戸川純がソロ名義で初めて発表したオリジナルアルバム『玉姫様』は、1984年1月25日にアルファレコードの¥ENレーベルから発売されました。このアルバムは、彼女の音楽的な個性と独創性が表れた作品として、多くのリスナーに影響を与えました。

アルバムの背景

このアルバムのリリースに先立ち、戸川はゲルニカ名義でデビューし、オムニバスアルバムにも参加しました。本作の目玉となる収録曲「玉姫様」は、1984年の『夜のヒットスタジオ』で初めてパフォーマンスされ、その存在感をアピールしました。さらに、2006年にはこのアルバムを含む一連の作品がデジタルリマスター版として復刻され、音質が向上したことで新たなファン層を開拓しました。

収録曲の解説

『玉姫様』には、全9曲が収録され、各楽曲は戸川純の独特な視点から作られています。

1. 怒涛の恋愛

この楽曲は、戸川自身が作詞し、比賀江隆男が作曲と編曲を担当しました。特徴的なサウンドは、彼のオープンリールを使用した録音方法が活かされており、聴く者を引き込む力があります。

2. 諦念プシガンガ

この曲は、アンデス民謡『EL BORRACHITO』に独自の歌詞を付けたもので、「プシガンガ」とは、仲間で酒を囲んで楽しむことを意味しています。戸川は歌詞を短時間で書き上げたと言われ、メロディとの融合が見事です。

3. 昆虫軍

ハルメンズの楽曲をカバーしたこの曲は、上野耕路が手掛けた作曲で、戸川の独自の解釈が光っています。

4. 憂悶の戯画

この曲は、戸川が幼少期に習った声楽の曲に歌詞を付けたものです。タイトルには、文学的な引用が含まれ、深い意味を持っています。

5. 隣の印度人

比賀江隆男が手掛けたこの楽曲は、シンプルながらも印象的なビートが特徴的です。

6. 玉姫様

このタイトルは、彼女のソロデビュー前からのアイデアが形になったもので、作詞は戸川自身が行いました。「殿」を「様」に変えるというアイデアが、創作のひながらのひらめきを感じさせます。

7. 森の人々

このトラックは、比賀江隆男による作曲で、あたかも森の中で様々な生き物が集まっているような温かみのある音色を生み出しています。

8. 踊れない

8 1/2という映画に由来するこの曲は、オリジナルの深い感情を引き継いでいます。

9. 蛹化の女

この楽曲は、著名な作曲家ヨハン・パッヘルベルの『カノン』に歌詞を付けたもので、これまでの曲の中でも特に感情的な深みがあります。戸川は以前からこの作品に歌詞を付けることを望んでいたため、その思いが強く反映されています。

参加ミュージシャン

本アルバムには、多くの才能溢れるミュージシャンが参加しています。戸川自身がマンドリンを演奏し、比賀江隆男が主にギターとキーボードを担当。さらに、様々な楽器の演奏が一体となることで、独特の音楽空間が創り出されています。

発売形態

『玉姫様』は、現在音楽配信サービスでもダウンロード販売されており、様々なプラットフォームで楽しむことができます。

このアルバムは、戸川純の音楽キャリアのスタートを飾る重要な作品であり、未だ多くのファンに愛されています。彼女の独自の世界観と迫力のある音楽は、聴く者に強い印象を与え続けています。

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