王様ゲーム (小説)

王様ゲーム

金沢伸明によって執筆されたケータイ小説「王様ゲーム」は、モバゲータウンで4000万を超える総閲覧数を記録し、その人気を不動のものとしました。この作品は、謎の「王様」からの命令に従わなければ死が訪れるという、過激な設定と予測不能な展開で読者を惹きつけました。

物語の展開

物語は「王様ゲーム」というメールが届くことから始まります。当初は軽い気持ちで命令に従っていたクラスメイトたちは、命令を拒否したことで次々と命を落としていきます。ゲームは次第にエスカレートし、人間関係や倫理観を試すような過酷な内容へと変化していきます。

各シリーズの概要

王様ゲーム：主人公・金沢伸明のクラスに「王様」を名乗る人物からメールが届き、クラスメイトたちが次々と変死していく。伸明はゲームを終わらせるために戦う決意をする。
王様ゲーム 終極：前作から7ヶ月後、伸明が転校した先のクラスで再び王様ゲームが始まる。ウイルスが正体と判明するが、生き残りをかけた戦いが繰り広げられる。
王様ゲーム 臨場：オカルトマニアの児玉葉月が、現実で起こっている『王様ゲーム』の謎を追う。過去のゲームの真相を解明しようとする中で、自らも新たなゲームに巻き込まれていく。
王様ゲーム 滅亡：日本全国の高校生を対象とした大規模な王様ゲームが勃発。引きこもりの工藤智久は、ゲームを終わらせるためにウイルスの抗体を作る決意をする。
王様ゲーム 起源：1977年の夜鳴村を舞台に、最初の王様ゲームの謎が描かれる。本多一成は、村人たちが次々と命を落としていく中で、ゲームの真相に迫っていく。
王様ゲーム 再生：日本を巻き込んだ王様ゲームから3ヶ月後、北海道で新たな王様ゲームが始まる。宗教団体リボーンが関与し、チャイルドと呼ばれる新たな存在も登場する。
王様ゲーム 煉獄：いじめによって自殺した生徒の復讐として、高校で王様ゲームが始まる。クラスメイト同士の殺し合いが繰り広げられ、転校生の佐々山夢斗が真相に迫る。
王様ゲーム 深淵：国際交流の研修で集まった高校生たちを対象とした王様ゲームが勃発。紅島を舞台に、友情と裏切りが交錯する。

主な登場人物

金沢伸明：シリーズを通して登場する主人公。正義感が強く、王様ゲームを止めるために奔走する。
本多智恵美：伸明の恋人であり、実写映画版の主人公。王様ゲームに翻弄される。
本多奈津子：『終極』と『臨場』に登場するヒロイン。複雑な過去を背負い、ゲームの中で冷酷な一面を見せる。
工藤智久：『滅亡』の主人公。引きこもりだが、王様ゲームを終わらせるために抗体を作る。
本多一成：『起源』の主人公。最初の王様ゲームの生き残りで、娘たちが再び巻き込まれたことを知る。
宮内雅人：『再生』の主人公。リボーンの陰謀に立ち向かう。
佐々山夢斗:『煉獄』の主人公。転校生として王様ゲームに巻き込まれる。
天海翔真：『深淵』の主人公。王様ゲームの中で友人を失いながらも戦う。

重要な用語

王様ゲーム：メールで送られてくる命令に従うゲーム。従わないと死が訪れる。
夜鳴村：最初の王様ゲームが起きたとされる場所。物語の重要な舞台となる。
ケルドウイルス：王様の正体であるウイルス。死の恐怖をトリガーとして発動する。
ナノクイーン：ケルドウイルスを制御するプログラム。
チャイルド：ケルドウイルスによって生まれた新たな生物。
リボーン:チャイルドによる世界の支配を目論む宗教団体。

メディア展開

「王様ゲーム」は小説だけでなく、漫画、映画、テレビアニメなど、様々なメディアで展開されています。

漫画：連打一人、栗山廉士、山田J太らによって作画された漫画版は、原作の魅力をさらに引き出しています。
実写映画：2011年には、熊井友理奈主演で実写映画が公開され、原作とは異なる独自の展開を見せました。
* テレビアニメ：2017年には『王様ゲーム The Animation』としてテレビアニメ化され、宮野真守ら豪華声優陣が参加しました。アニメオリジナルストーリーで、より複雑な人間ドラマが描かれています。

制作背景

作者の金沢伸明は、執筆当時会社を経営しており、仕事の合間に携帯電話で執筆を続けました。読者の意見を取り入れつつ、予想を裏切る展開を意識して物語を構築していったそうです。

「王様ゲーム」は、単なるサバイバルゲームではなく、人間の心理や社会の闇を描いた作品として、多くの読者に衝撃を与え続けています。

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