王立カナダ騎馬警察

王立カナダ騎馬警察（RCMP）

王立カナダ騎馬警察（Royal Canadian Mounted Police、略称RCMP）は、カナダ連邦政府の国家警察であり、設立以来長い歴史を持っています。1873年に設立された北西騎馬警察がその前身となり、1920年には自治領警察と統合され、現在のRCMPと改称されました。

RCMPの役割と組織

RCMPは連邦警察であり、カナダの広大な国土をカバーするために、地域の状態に応じた警察サービスを提供しています。彼らは約30,000人の職員を擁し、主にオタワに本部を置いています。また、場合によっては州や市町村における警察業務も担っています。正規の制服は一般的なデザインですが、式典では赤いチュニックと特徴的なキャンペーン・ハットを着用し、国際的にもその姿が広く知られています。

文化的意義

RCMPはカナダ文化のアイコンとして認識されており、「マウンティー」という愛称で親しまれています。赤い制服をモチーフにしたお土産や商品も多く、映画やテレビドラマではカナダの象徴として描かれることがしばしばです。特に、音楽に合わせて騎乗する「ミュージカル・ライド」は観客に人気があり、RCMPの馬術技術を披露しています。

歴史的背景

1873年、カナダの初代首相ジョン・A・マクドナルドの手により北西騎馬警察が設立されました。彼らは主に地域の治安維持と移民の安全を目指して活動し、1885年には初めて武装闘争に参加しました。その後、1904年にイギリス国王エドワード7世より王室の勅許を受け、国家的な存在としての地位を確立しました。1920年に自治領警察と統合された後は、州および地方自治体との契約により、より広範な地域で警察活動を展開しています。

ミュージカル・ライドの詳細

ミュージカル・ライドは、RCMPの中でも特に馬術に秀でた隊員たちが行うショーイベントで、32頭の揃いの馬を使って演技を披露します。この行事は1876年に始まり、正式な形で行われたのは1887年が初めとされています。このイベントは、隊員たちの馬術訓練に由来し、現在に至るまで多くの人々に愛されています。

現代のRCMP

冷戦時代においては、アメリカのFBIと連携して兵役忌避者の摘発にあたったり、情報機関としての役割を果たしたことがありますが、現在はその特性はカナダ安全情報局に引き継がれ、RCMPは主に治安維持に専念しています。2018年には初めて女性が長官に就任し、現代のエネルギーと変化を反映した組織となりつつあります。

RCMPは、カナダのアイデンティティを象徴する存在として、国内外で広く認識されており、その歴史的な役割を今後も継承し続けることでしょう。

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