王立園芸協会

王立園芸協会 (RHS)

概要

王立園芸協会（Royal Horticultural Society、略称RHS）は、イギリスのロンドンで1804年に設立されたガーデニングと園芸を推進する学会です。この協会は、慈善団体としてイギリス国内外でのガーデニングの普及を目指しており、数多くの公開庭園を運営し、広く一般に向けたフラワー・ショーを開催しています。

歴史と設立

王立園芸協会の起源は1800年まで遡ります。当初はジョン・ウェッジウッドの提案によって設立が計画され、協会員の活動や研究成果を発表し、議論するための場を提供することが目的でした。設立の際には、定期的な会合が開かれ、業績に対する賞も設けられました。初会合は1804年3月7日に開催され、その後、園芸界の権威たちが集まって協会の発展に寄与しました。

1861年には、王室勅許を授与され、現在の名称が与えられます。2004年に創立200周年を迎えた際には、協会の歴史と貢献が広く称賛されました。

現代の活動

21世紀に入ると、RHSは会員数が激増し、2023年には62万人以上の会員を有するまでになりました。一方で、2008-09年には方針の混乱が指摘され、会員の減少や事務局長の辞任といった問題も発生しました。それでも、RHSは広く一般への参加を促進するために、サポーター制度などを導入し、データに基づいたガーデニングの発展に寄与しています。

公開庭園の運営

RHSは現在、イングランドに5つの名を冠した庭園を所有しています。ウィズレー・ガーデンは最初の公開庭園として名高く、その他にもローズムーア・ガーデン、ハイド・ホール・ガーデン、ハーロウ・カー・ガーデン、そしてブリッジウォーター・ガーデンがあります。これらの庭園は、訪れる人々に季節ごとの植物の美しさを楽しむ場を提供し、園芸の教育の場ともなっています。

フラワー・ショー

最も有名なRHSのイベントは、毎年行われるチェルシー・フラワー・ショーです。その他にも、ロンドン・フラワー・ショーやハンプトン・コート宮殿フラワー・ショー、タットン・パーク・フラワー・ショーなどが存在し、国内外の園芸家たちが集まり、秀逸な花々を競い合います。

賞とメダル

RHSは、園芸の発展に寄与した個人に名誉メダルを授与しており、フラワー・ショーでは金、銀、銅のメダルが優れた展示に贈られます。ジェームズ・ヴィーチ記念メダルは特に科学的な貢献を評価するために設けられています。

ライブラリーと出版物

RHSにはロンドンに位置するリンドレー・ライブラリーがあり、園芸の専門書や資料が豊富に収蔵されています。また、1866年からは定期的に雑誌を発行しており、最新の園芸技術や植物情報を会員や読者に提供しています。

海外支部と国際的展開

1987年、日本にRHSの海外支部が設立され、園芸の魅力を広める活動が行われてきましたが、2015年には解散しました。現在、RHSはその活動を通じて、イギリスのみならず国際的にも広がりを見せています。

このように、王立園芸協会はその歴史を紡ぎながら、ガーデニングや園芸の発展を促進し、世界中の人々にその楽しさを伝え続けています。

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