王立統計学会

王立統計学会 (RSS)

王立統計学会（Royal Statistical Society、略称RSS）は、イギリスにおける統計学の最も重要な学会であり、統計学者の職能団体として広く知られています。1834年にロンドン統計学会（Statistical Society of London、LSS）として創設されて以来、その歴史は長く、統計学の発展に大いに寄与してきました。

当初、イギリスには各地に統計に関する学会が存在しましたが、多くは消滅してしまいました。RSSはその中でも特に長い歴史を持ち、唯一の例外としてマンチェスター統計学会（Manchester Statistical Society）が挙げられます。このように、RSSはイギリスにおける統計学の権威であり続けています。

ロンドン統計学会の設立には、リチャード・ジョーンズ、チャールズ・バベッジ、アドルフ・ケトレー、ウィリアム・ヒューウェル、トマス・ロバート・マルサスといった著名な統計学者や理論家たちが力を合わせました。1858年には、フローレンス・ナイチンゲールが初の女性会員として名を連ねることで、学会の多様性が一層広がりました。また、ウィリアム・ベヴァリッジやハロルド・ウィルソンも会長を務めたことがあり、その活動は幅広い分野に及んでいます。

1887年、ロンドン統計学会は、現在の王立統計学会として再編し、その後1993年には統計協会（Institute of Statisticians）と合併して現在の形となりました。現在、RSSは世界中に7,200人以上の会員を抱え、その中の約1,500人がイギリスで統計の専門家として認定されています。興味深い点は、同学会のすべての会員が「フェロー」と呼ばれることです。この名称は、他の職能団体とは異なる特徴の一つです。

王立統計学会は、統計に関連する法律の制定にも貢献しています。特に2007年に可決された「Statistics and Registration Service Act」は、同学会の努力の結果といえるでしょう。

毎年、RSSは総会を開催しており、その際にはさまざまな重要な議題が話し合われます。2007年7月にヨーク大学で行われた総会では、ウィリアム・ガイを記念したガイ・メダルが授与され、このイベントは参加者にとって特別な意味を持つものとなります。

さらに、王立統計学会は学術雑誌「Journal of the Royal Statistical Society」を3つのシリーズに分けて出版しており、これにはシリーズA（Statistics in Society）、シリーズB（Statistical Methodology）、シリーズC（Applied Statistics）が含まれています。また、一般読者向けに「Significance」という雑誌も発行しており、統計の重要性や最新の研究成果を伝える役割も担っています。

このように、王立統計学会は単なる学会にとどまらず、統計学の発展を促進し、社会における統計の理解を深めるために尽力し続けています。公式サイトでは、さらなる情報や活動内容が紹介されています。

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