王英 (水滸伝)

王英の人物紹介

王英（おう えい、Wang Ying）は、中国古典文学の名作『水滸伝』に登場する人物で、梁山泊の中でも特にユニークなキャラクターです。彼は梁山泊の五十八位の好漢で、渾名は「矮脚虎（わいきゃくこ）」。その名の通り、身長173センチメートル以下の短足で、鋭い目つきが特徴的です。王英は女性に対する好奇心が旺盛で、特に気の強い女性に惹かれる傾向があります。このような彼の人生は波乱万丈で、数多くの戦闘や事件が絡み合っています。

生い立ちと経歴

王英は元々、両淮の出身で、職業は車引きでした。しかし、彼は業を煮やして依頼人を殺害し、その金品を奪って清風山に逃げ、盗賊団の一員となります。そこで、天下の義士、宋江と出会い、彼の仲間になることが運命づけられました。王英は早速、仲間を連れて宋江をもてなしますが、彼の女好きな性格がもたらすトラブルはその後に続きます。

ある日、王英は悪徳官吏の妻である劉高夫人を気に入ってしまいますが、彼女を無理に手に入れようとし、仲間から諌められることになります。この出来事は、王英が他の仲間と協力し、敵と戦うきっかけとなります。後に、劉高夫人は宋江を夫として訴え、王英たちは彼女を奪還するために奮闘します。ここから彼の活躍や仲間との絆が描かれます。

戦いと恋愛

王英の冒険は、戦いだけでなく、恋愛も含まれます。彼は宋江と共に様々な戦闘に参加しながら、女剣士扈三娘に出会い、一目惚れします。扈三娘との関係は、戦場での危機を共に乗り越え、二人揃って「三軍内検察の騎兵将校」として活動します。一見すると、彼は唯一無二の愛を持っているように感じられます。しかし、戦いの中では再び好色が顔を覗かせ、敵の女性武将瓊英に敗北するという結果に終わることもあります。

最期の運命

王英の人生は、その華やかな表舞台の裏に多くの悲劇を秘めていました。彼は敵の妖術使い鄭彪に遭遇し、その際に致命傷を負ってしまいます。これにより、彼の物語は涙ながらの幕引きを迎えることとなります。

『金瓶梅』における王英

王英は、四大奇書の一つである『金瓶梅』にも登場します。ここでも彼は女性に翻弄される姿が描かれ、特に呉月娘を狙うエピソードがあります。この作品においても彼の好色ぶりが色濃く表現されており、短い間ではありますが印象に残ります。


王英はその特異な容姿や性格から、多くの読者に親しまれてきました。彼の物語は、愛や友情、戦いと裏切り、そして自己と向き合う過程を通じて、評価が高まっています。

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