王馬熙純

王馬熙純（おうま きじゅん）について

王馬熙純（おう・ま・きじゅん）は、1920年9月1日に中国のハルビンで生まれ、その後日本に帰化した料理研究家です。初めの名前は王城純子（おうき・じゅんこ）であり、長い人生の中で様々な分野で活躍してきました。彼女は多くの著書を持ち、日本における中華料理の普及に大いに貢献した人物として知られています。

人物・来歴

王馬は、水運業や酒精工場などを運営する実業家の家庭に生まれました。彼女の父は馬延喜という名の実業家であり、母や兄弟と共に日本に留学することを決意しました。1937年には東京音楽学校に入学し、ピアノ専攻で学び、その後、1941年に卒業しました。

戦時中、1942年には満州国建国十周年の慶祝音楽使節団の一員として演奏活動を行い、故郷であるハルビンでも重要なコンサートに出演しました。1944年には王遵伯と結婚し、その後北京に移住しましたが、1950年に再度日本に戻ります。

日本では香川栄養学園（現在の女子栄養大学）に招かれ、ここで40年以上にわたり中国料理を指導しました。1957年からはNHKの「きょうの料理」にも出演し、多くの家庭に中華料理の楽しさを広めました。彼女の講義や料理は多くの人々に影響を与え、その成果により1984年には文部大臣賞を受賞しました。

逸話

王馬熙純は数多くの著名人を教えたことで知られています。例えば、正田美智子や竹田恒泰などの料理の弟子がおり、竹田は彼女から中国語も学んだと言われています。また、彼女は愛新覚羅氏の一族とも関わりがあったとされます。

受賞歴

王馬の功績は幅広く認められており、1993年には東京ファッション協会のダイヤモンドレディ賞を受賞しています。彼女の活動を通じて、特に中国料理の普及と教育において大変重要な役割を果たしました。

著作

王馬はさまざまな著書を残しており、その中には『中国料理』や『中国料理10週間』などがあります。1958年から1995年にかけての著作では、中華料理の技術やレシピを分かりやすく紹介しており、多くの家庭で用いられる基礎となりました。さらに、彼女は電子レンジを使った中華料理に関する書籍も執筆し、現代の家庭料理にも寄与しました。

王馬熙純の業績は、料理の枠を超えた文化交流にもつながっており、彼女の影響は今なお多くの人々に受け継がれています。料理を通じて国を超えた友好関係を築いた彼女の人生は、多くの人にとってインスピレーションの源であり続けています。

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